弘前の中心商店街土手町と歓楽街鍛治町を結ぶ「かくみ小路」。
昔はけっこうな人通りだったというこの小路は、
少し寂れたような雰囲気に情緒がある上に、
なかなかの優良店が店を構えていることもあって、
単なる通り道にしてしまうには惜しいところです。
そんなかくみ小路の一画にあるのが「常寿し」。
昭和44年に創業したと言いますから40年近い歴史があります。
常寿しの名物と言えば「生太巻き」(2,940円)。
マグロ、タイやヒラメの白身魚、コハダ、イカ、シャコ、アナゴ、
ホタテ、カズノコ、ウニ、イクラ、トビッコ、大葉の計十二種類の具材を、
海苔一枚半で巻き上げた非常に豪華なもの。
しかも、これらの具材が喧嘩をするのではなく、
幾重にも重なる味の深みとなっています。
そして、この生太巻きの面白いのは、
食べ始める場所によってその雰囲気がまったく変わること。
ウニなところから食べると濃厚な甘みが、
カズノコなところから食べるとぷちぷちの食感が、
イクラなところから食べると甘じょっぱいコクがまずは広がり、
その後で中心部の魚系具材の旨味をじっくりと味わうことになります。
まったく飽きさせてくれません。
ここは生太巻きで有名なお寿司屋さんですが、
もちろん握り寿司も優れもの(写真は上寿司2,100円)。
寿司と言うと青森や八戸をイメージしがちですが、
弘前はなんと言っても殿様が住んでた街。
日本海や陸奥湾から良い素材が運ばれてくるので、
常寿しの手にかかればかなりのクォリティーの寿司になります。
胃袋のサイズにもよりますが、
3人くらいで行ってそれぞれ上寿司を頼み、
最後に太巻きを分け合うくらいがちょうどいい感じだと思います。
個々の素材を楽しむ握りと、
融合した複雑な味を楽しむ太巻き、
片方だけじゃもったいないですからね!
by YOSHIHITO
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