御菓子司 大阪屋
とりあえず第一章は、「大阪屋」で完結。
弘前スイーツ。
合間を見ては書いてきましたが、いよいよ食欲の秋、スイーツの秋というところで第一章は完結。
まだまだご案内したい素敵なお店がたくさんありますが、またの機会にご案内していきたいと思います。
今回は「御菓子司 大阪屋」です。
寛永7年(1670年)創業の弘前一長い歴史を持つ和菓子のお店です。
津軽藩お抱えとなり、ここから340年という気の遠くなるような歴史が始まります。
大阪屋といえば、「竹流し」
四代目福井三郎右衛門包純(かねずみ)が安永2年(1773年)に創製したものです。
地域の食材であった目屋地方特産のそば粉を原料に麺棒一本で仕上げる手づくり品です。
今でも一つ一つの手しごとを重ねて作り上げています。
代々長子へ口伝されてきた製法を頑なに守っています。
サラサラとした細かい粉を感じながら、サクっと来る食感、やさしい甘さとそばの香ばしさ。
焼き上げたような模様の微妙さからも手仕事を感じさせてくれます。
豪華絢爛な螺鈿(らでん)
店内に入ると、まず目に飛び込むのが、この見事な螺鈿(らでん)細工の菓子入れです。
注文すると、そこから取り出すのですが、それまでこの手の込んだ工芸品が菓子入れだとは気がつかないほどの輝きと質感です。
もともとは藩へ納めたり、宮家へ納めるための飾り蒸籠(せいろ)でした。
それを現在の建物に直す時に、菓子入れとして直したのだそうです。
見れば、津軽藩の紋である牡丹が描かれていたり、菊の紋が描かれていたりします。
藩政時代から続くレシピ
大阪屋のレシピもまた藩政時代からのもの。
その作りを頑なに守っていくのもまた大阪屋らしさです。
寒天一つ取っても、いまでは精製された粉寒天など手間のかからない菓子素材は電話一本でいくらでも手に入る。そんな時代です。
しかし大阪屋はレシピを守り、今では逆に手に入りにくい棒寒天を手にし、時間をかけて戻し、そして菓子に使われるものになるためのさまざまな手しごとを施していきます。
このレシピを守る、だからこそ無添加。
このため、傷みやすい。
このため他店に卸さず、暖簾分けせず一店主義。
地域の人たちの分を作るのが精一杯、という手しごとの伝統が全てこの中に入り込んでいます。
りんごワッフル
農家から直接届く紅玉でつくったジャム入り。
甘くて酸っぱくて、それでいてやさしい味。
和菓子の老舗が作る弘前らしい一品です。 byなおき
<弘前スイーツ>
1 2007-06-22 ル・ショコラ
2 2007-06-26 寿々炉
3 2007-06-27 藤田記念庭園 喫茶室
4 2007-07-09 アンジェリック
5 2007-07-11 パティスリー タカハシ
6 2007-07-27 zilch
7 2007-08-13 開源堂 川嶋
御菓子司 大阪屋 | |
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場所 | 弘前市本町20 |
TEL | 0172-32-6191 |
時間 | 休:日曜日 |
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