下北のおいしい高原野菜をご存じでしょうか。
陸奥湾に面した旧川内町(現むつ市)から、
川内川渓谷沿いに車でさかのぼること数十分。
広大な放牧地と野菜畑が広がる「野平高原」は、
旧満州や樺太から引き揚げた人達によって拓かれました。
入植が始まったのは戦後間もない1948年から。
あまりの過酷さと生活苦に半数以上がこの地を離れましたが、
野菜づくりと畜産業(和牛繁殖)を取り入れてから安定するようになり、
今では、おいしい高原野菜の産地として、また全国のブランド和牛のふるさととして注目されています。
(↑「留魂の碑」には開拓者達の思いが綴られていました。)
野平の野菜づくりは加工用ダイコンづくりが始まり。
実は、ここは30年も続く加工ダイコンの名産地だったんです。
ほとんどが加工業者に直接納入されてしまうため、
おいしい野平ダイコンを食べられるのは生産者か一部の地元人だけですが、
みずみずしくて皮までやわらかい野平ダイコンは、
地元と業界ではかなり有名なのだそうです。
そんな野平高原で最近人気を集めているのが、
アクのない甘みが自慢のスイートレタス。
地の利を活かしておいしい野菜をつくろうと、
開拓二世たちが中心となって、
生食用ダイコンやキャベツとともに4年前から栽培を始めました。
本州最北のレタス産地野平高原は、
夏場の昼夜の気温差はなんと15度近くになるのだとか。
厩肥がたっぷり与えられた畜産地帯ならではの豊かな農地、
どんな暑い夏でも十分な夜露で潤いをたっぷり与えてくれる自然の力、
そして開拓時代から受け継がれた探求力。
野平高原のレタスにはいろいろな力が込められています。
自然な甘味がたまらない野平のスイートレタスは、
もちろん生で食べてもおいしいのですが、
生産者達は意外にも「レタスの味噌汁」が絶品と教えてくれました。
作り方は超簡単。味噌汁の火を止める間際にちぎったレタスを放り込むだけ。
コシの強い野平のレタスは、味噌汁の中でもパリパリ感が持続し、とってもおいしい具になるのだそうです。
県内でなければ手に入らない噂のレタス。
見かけたら一度試してみてはいかがでしょうか。
味噌汁のほか「レタしゃぶ」にも最高ですよ!
ちょっと長くなりましたが、
どうしても紹介したかった野平のレタスのお話しでした。
by 義人
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