5月、黄色い菜の花が一面に咲く光景は、
日本人にとっての原風景の一つであり、
横浜町の日本一の菜の花畑の風景は実に素晴らしいもので、
この時期は多くの青森ブロガーのブログが黄色に染まります。
菜の花(ナノハナ)はアブラナ科の植物で、
日本には奈良時代に伝わり、
平安時代に入ると照明用の菜種油として使われるようになりました。
江戸時代の行燈(アンドン)の普及とともに作付け面積も広がりましたが、
その後、電気の普及や国際競争の中で、
1956年~1957 年の26 万ha/32 万t をピークに、
現在の日本の作付け面積は約500haまで減少しました。
横浜町のナタネ栽培は、戦後、ジャガイモの裏作として始まり、
最盛期の1950年代後半には750ヘクタールの作付けとなりました。
その後、全国の傾向と同様に作付け面積は減少し、
平成元年には83haまで減少しましたが、
他の産地がそれ以上に減少していることもあって、
作付け面積日本一となりました。
横浜町の日本一の菜の花畑の誕生です。
ところが、いま、横浜町の菜の花はけっこう危機的な状況です。
日本一になったこともあって一時は200haまで持ち直した作付け面積も、
再び100ha前後まで落ち込んでしまい、、
2006年、2007年は日本一の座を明け渡しています。
また、これまでは国からの助成によって採算がとれていましたが、
これがなくなるのがほぼ確実で、
そうなると完全に赤字となってしまうため、
菜の花を作付けする農家がいなくなるのではないかと心配されています。
このような中、
貴重な日本の歴史的農村風景を今に残している
横浜町の菜の花を次世代に伝えるための活動をしているのが、
2002年3月に誕生したのが「菜の花トラストin横浜町」です。
全国から会員を募り、その会員からの寄付金により、
・菜の花作付けの農家委託、借地した農地での作付け
・親睦・交流を含めた農業体験活動
・横浜町産100%の菜種油の搾油・販売活動
などを行っています。
現在のところ会員数は300人弱。
目標とする500人にはまだ及んでいませんし、
これからますます厳しい環境になる横浜町の菜の花畑を守っていくためには、
もっと多くの協力者が必要とされています。
年会費は3,000円ですが、会員になると、
年間1L分の横浜町産菜種による菜種油が贈られます。
実はこの菜種油がスゴイのですが、
そのことは、次回、”黄色い畑の贈りもの”の巻で紹介します。
菜の花トラストに関心のある方は、↓のHPもご覧になってみてください。
※菜の花トラストin横浜町HP
by YOSHIHITO
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