皆さま「けいらん」ってご存知ですか?
漢字で書くと「鶏卵」。にわとりの卵のこと?と思うかもしれませんが
お料理の名前です。
青森県内の下北地方、県南の野辺地から七戸のあたりで作られるもので
こしあんの入ったお団子を入れたすまし汁のことです。
千葉彩子さんの本には、『もとはお祭り、祝儀、不祝儀に作られたが、
最近は法事のお膳に見ることが多い』と書いてあります。
先日、お客様をご案内して、旧川内町(現在のむつ市川内)に行き、
地元のおばさま方に、「けいらん」と「品川汁」を
作っていただく機会がありました。
川内地区では、結婚式には出さない、法事のときに出すことが多いとのこと。
普段食べるお料理ではありませんが、
今は、道の駅「かわうち湖」のレストランや
スパウッド観光ホテルのレストランでいただくことができるそうです。
「あんこの入ったお団子が醤油味のすまし汁に浮かんでいる」と聞くと
頭の中では、「えー??それはおいしいの?」と
想像のつかない料理に思うでしょうが
実際、食べてみると、何の違和感もなく、おいしくいただくことができます。
あんこの甘さと、おだしのしょっぱさの組み合わせは
今流行の塩キャラメルの味に通じるような(笑)そんな味です。
鶏の卵のような楕円形のお団子が2つお椀に入って、
醤油味のおだしをかけてあります。
上に乗っているのは、干し椎茸を煮たもの。
お団子は、もち米の粉で作った皮でこしあんを包んで、
蒸しあげています。
私が今までに食べた「けいらん」は、
お団子のこしあんの中に、くるみが入っていたので
「くるみは必ず入っているものじゃないの?」と聞いてみると
「川内では、くるみは入れないよ」とのこと。
そして、「お団子は必ず2つ入れる」そうです。
千葉彩子さんの本には、
『粉は、うるち米だけの所、モチ米を加える所、
白玉粉で作ると人さまざま。中にはあんと少しの胡桃を入れる』
と書いてあるので、同じ料理でも、作り方はいろいろあるのでしょうね。
なかなか出会う機会の少ないお料理ですが、
ぜひ一度試していただきたい青森の郷土料理のひとつです。
がんばれば、おうちで作れるので、
料理自慢の皆さまはぜひチャレンジをお願いします。
byひろぽん
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