「菱(ひし)の実」ってご存じでしょうか?
ある夜、いつもよくしてもらう焼鳥屋に出かけたところ、
目の前に見慣れない形の食べ物が・・・。
それがこの「菱の実」。
待ち合わせした同僚のひとりが外出先の「道の駅」で見つけ、
美人ママに無理を言って茹でてもらったものでした。
「菱」とは、
ヨーロッパ及びアジアの温帯地方に広く分布し、
日本各地の池や沼に自生する一年生の水生植物。
水底の泥の中から芽を出して水面に菱形の葉を広げ、
夏になると茎の先に白い花を咲かせて実をつけます。
大きさはせいぜい4~5㎝。
2本のするどい棘をもつ硬い殻に包まれていて、
その中の白い部分(仁)を食用とするのだそうです。
食用としての歴史は極めて古く、
日本最古の歌集「万葉集」にも詠まれていますが、
最近は、佐賀県など一部の地方をのぞいてすっかり見かけなくなり、
「幻の果実」と言われるほど貴重な食材になってしまったようです。
その”幻の菱の実”がなぜ青森に!?
あちこち辿ってお話しを聞いてみたところ、
小川原湖にもかつて菱が群生しており、
この地方では茹でた菱の実をおやつ代わりによく食べていたのだとか。
どんどん姿を消し、忘れら去られていく菱の実を知ってほしいとの思いから、
小川原湖に自生している菱の実を採取し、道の駅「おがわら湖」の直売コーナーに出荷しているのだそうです。
この地方の食べ方はいたってシンプル。
殻つきのまま茹でてから、殻を割り、そのまま食べます。
可食部分は多くありませんでしたが、食べた感じはまるで栗のよう。
なるほど。「ウォーターマロン(水栗)」という別名までありました。
さらに、佐賀地方ではこれを煎じて飲む習慣があるとのこと。
なんでも、昔から漢方のひとつに数えられていて、
「五臓六腑に良い」と言われているのだそうです。
それにしても・・・、
これが「菱の実」というものなんですか~!
しかも、小川原湖にちゃんと残っているというんですか~!!
またひとつ未知の青森を発見してしまいました(涙)。
by 義人
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