まるごと青森

「カシス」と「羊羹」

「カシス」と「羊羹」

特産品・お土産 | 2008-01-15 16:31

「カシス」と「羊羹」

青森市で羊羹と言えば、まず思い浮かぶのは甘精堂の昆布羊羹です。
甘精堂は明治のはじめに小さな茶店として開業。
その歴史もさることながら、このお店のすごいのはその発想力。
明治期の青森で「昆布」と「羊羹」の組み合わせに着目したのがすごい!
今でこそいちご大福のようにミスマッチの美味しさも市民権を得ていますが、
当時を考えるとその発想の自由さは驚くべきものがあります。
単に昆布を羊羹に練り込むだけでは昆布特有の生臭さが残ったり、
逆に昆布の風味が出なかったりするのですが、
昆布羊羹を作り続けて114年の歴史を持つ甘精堂なればこそ、
試行錯誤の中から自社独自の製法を生み出し、
昆布の良いところだけを羊羹に練り込む技を持っています。

一方、最近、青森市の特産品として注目を集めているのが「カシス」。
昭和50年に弘前大学の教授によってヨーロッパから苗木が持ち込まれ、
今では国内の8割以上の生産量を占める日本一の産地となりました。
青森は気候風土がカシスに適していることもあって、
味・風味ともに非常に優れていますが、それだけではなく、
冷涼な気候を生かして農薬を使わない自然栽培で丁寧に育てられ、
一粒ずつ手摘みされる青森産カシスは、
安全で品質の高い最高クラスのカシスとして注目されています。

そして、甘精堂がカシスに着目して誕生したのが「かしす羊羹」。
カシスと白あんの配合=酸味と甘さのバランスに研究を重ね、
試行錯誤の上に完成させた紫色のきれいな羊羹です。
一口食べてみると羊羹なのに甘酸っぱい感じがするので驚きますが、
食べ進めるとこれがなかなか美味しい。
白あんの具合が絶妙なのでしょう、
決して甘すぎないやわらかな甘さの中に、
カシスのさわやかな酸味が包まれているような感じです。
製法は羊羹ですが、その味わいは洋風。
「紅茶に合うわ」と女性にも評判でした。

「カシス」と「羊羹」

「カシス」と「羊羹」

明治時代は青森の特産品だった昆布を使って、
青森らしい和菓子として「昆布羊羹」を誕生させた甘精堂が、
現代の青森の特産品カシスを使って誕生さえた「かしす羊羹」。
昆布羊羹のように100年の銘菓となってほしいものです。

by YOSHIHITO

掲載されている内容は取材当時の情報です。メニュー、料金、営業日など変更になっている可能性がありますので、最新の情報は店舗等に直接お問合せください。

青森の観光・物産・食・特選素材など「まるごと青森」をご紹介するブログ(blog)です。
青森県で暮らす私たちだからこそ知っている情報を県内外の皆様に知っていただく記事をお届けします。

タグ別記事一覧

ヒバ津軽八甲田尻屋埼灯台館花岸壁朝市ポップアナログレコード#手帳#夏休み鉄道青森岩木山尻屋埼宵宮横丁露天風呂青森県、色彩#桜#風車りんご三内丸山遺跡白神山地毛豆寒立馬美術館最強毛豆決定戦妖怪#食#焼きそばねぶた・ねぷた奥入瀬渓流絶景太宰治灯台青森土産きのこ鮟鱇JOMONトーク伝統芸能アウトドアツーリズム果物山菜・きのこウニ温泉ジオパーク津軽土産アニメあんこう万年筆えんぶりカフェ・レストラン米・パン・穀物津軽海峡自転車ガイドパッケージ買いクラフト風間浦鮟鱇ステンドグラス建物お酒寿司白神山地周辺津軽弁金魚イベントハンドメイド#郷土料理#青森グルメラーメン野菜居酒屋・バーカレー缶バッジおにぎり海藻唐揚げ#お家ごはん中華料理スイーツ魚介種差海岸まつりカンバッジうにぎりわかめ和栗インバウンド#料理エビチャーハンまち歩き肉・卵十和田湖アクティビティおみやげ岩のりe-sportsスタンプお家でシリーズBUNACO白神山地体験レポート伝統工芸田んぼアートマグロお土産津軽弁缶バッジ寒海苔お盆スーパー植物#だし青森県郷土料理三味線ご当地蔦沼寺山修司カフェ迎え火・送り火ハンコ担々麺#アートアウトドアツアー歴史・文化紅葉新緑八戸ブックセンターコーヒー嶽きみコケシ辛い#青森県立美術館#サウナ自然アートランチライトアップイルカプリン熱帯魚クリスマス種差#自然#八甲田山グルメ弘前公園陸奥湾おやき焼き鳥グランピング#エビの釣り堀八戸市食堂ブナコ弘前城フェリー三社大祭日記雪見温泉月見#釣り#太陽光発電

月別記事一覧

月別一覧ページへ