十和田市に4月26日にオープンした十和田市現代美術館。
私も行ってきました~。
こちらの美術館の常設22作品は、国内外で活躍する現代アーティスト21名が
この美術館のために制作した作品。
展示スペースは、個々の独立した建物「アーティストの家」。
その一軒一軒がガラスの廊下で繋がっていて、
アーティストの家を訪ねるというコンセプトの建築で、
建築自体も大きな魅力のひとつです。
設計は金沢21世紀美術館も手掛けられた西沢立衛さんで、
綺麗に整備された十和田の街並みに自然と調和した建築になっています。

十和田の官庁街通り沿いという抜群のロケーションで、
通りから美術館とその中の作品が鑑賞できちゃうというのも魅力のひとつ。
官庁街通りは、戦前、旧陸軍軍馬補充部が設置されていたことから「駒街道」という愛称で市民に親しまれている通り。

郵便ポストの上にまで馬の像が・・・。

そんな駒街道にふさわしい華やかな作品がチェ・ジョンファさんの「フラワー・ホース」。
全身を色とりどりの花々でまとった5.5メートルの馬は、蹄までもが花!
徹底してます!!
この作品は、十和田市の馬との関わり、通りを折々に美しく彩る花々、そして十和田市の未来の繁栄を象徴しているんですって。

もうひとつ通りから目立つのが、ドドーン!

フェラーリの赤が鮮やかな巨大ハキリアリの彫刻作品「aTTA」。
ちなみにサイズは601×624×395cmと、椿昇さんの常設作品としては日本最大。
常に人間の感性や知性を刺激する椿さんの作品は、
こどもにも人気がアリそうです。

こんな感じでお庭にも作品が設置されているので、
記念撮影もできちゃうという美術館としては新しいタイプなんです。
中は…といいますと、カフェの床から作品なんです。
「南部裂織」からインスピレーションを受けたというマイケル・リンさんの作品。
ここは、ガラス越しに官庁街が広がるくつろぎの空間でした。

展示されている作品は、もちろん行ってみてからのお楽しみですが、
まだご覧になっていない方のお楽しみを邪魔しない程度にお話しますと、
約4mのリアルで巨大な女性像や、実際に席に座れてしまうハイウェイのカフェ、時間が止まったような森、可愛いアザラシ、宇宙空間のようなトンネル、階段、屋上…。
と、ちょっとした空間にも作品が隠れていますので、
時間に余裕を持って、ゆっくり驚きながら、
「アーティストのお宅拝見!」という気分でお出かけすることをおススメします。
私が一番気に入った「お宅」は、スゥ・ドーホーさんの「お宅」。
シャンデリアのような「コーズ・アンド・エフェクト」という作品が
展示されているお部屋です。
この作品は、高さ9メートルの天井から放射状に吊り下げられた数万体の人型彫刻が肩車で連なるインスタレーション。
照明の光を浴びた人型彫刻は輪廻転生をイメージさせ時を忘れさせます。
そして、そんな作品を観ている自分も、通行人の人は見ている…

季節はもちろん、その瞬間、その瞬間に鑑賞している人によっても
作品が変わってくるような新しい感性を持ったスポット!
夕刻からはライトアップもしているそうですから、
これから季節や時間帯を変えてお出掛けして、お気に入りの「家」、「季節」、「時間」を発見していきたいと思わせる美術館でした。
By Kuu