春のコレクション展を開催中の青森県立美術館に行ってきました。
エントランス前の広場には可愛らしいクローバーが一面に・・・。
今回は時間がなくて探せなかったのですが、四葉のクローバーをここで探すのが私の楽しみです。
花束のように一杯見つけられちゃうこともあるので、
お時間のある方は、是非、試してみてください。
ちなみに美術館の周りの草刈は地域に住む方が中心となった
ボランティアの皆様のおかげで整備されているとのこと。
開館からそろそろ2年が経つ美術館は、地域の人に支えられながら育っているんですね。
企画展はもちろんですが、季節毎に展示替えするコレクション展もまた
春、夏、秋、冬・・・とお出かけする楽しみのひとつです。
今、開催中の春コレでは、芸術分野で新しい時代を築いた先駆的で前衛的な
青森ゆかりの作家の仕事を紹介していました。
青森県立美術館では、国内の博物館・美術館の中で最初にユビキタスシステムを導入しています。
今回のコレクション展からは、なんと担当学芸員が解説していて話題を呼んでいます。
まずは、日本画家鳥谷幡山。
画業を通じて十和田湖の美を世間に知らしめることに生涯を捧げ、
十和田湖を中心とした神秘的な古代史の研究に没頭した画家。
現在は、日本を代表する名勝となった十和田湖と奥入瀬渓流ですが、
明治時代の終わり頃までは、交通の便もなく、その美しい風景は、
地元の一部の人々が知るのみ。
その十和田湖が観光名所として広く知られたのは五戸出身で雑誌「太陽」を主宰した
評論家鳥谷部春汀が文筆家大町桂月に勧めて十和田探勝を行わせ、
「太陽」に記事を載せる等十和田湖の顕彰につとめたことなど、
十和田湖の景色を愛する人々の努力によるところが大きかったんだそうです。
七戸出身の日本画家、鳥谷幡山もまたその一人であり、生涯にわたり
十和田湖の風景を描き続けました。
幡山、春汀をはじめ、地元関係者の努力が実って、
1936年には十和田湖が国立公園に指定されたのです。
その幡山の作品が12作品展示さてれいて、展示室の片隅には幡山本人が書いた
「霊山聖地之発見」という書籍が・・・。
何が書かれているかというと、十和田湖の東に位置する新郷村に伝わる
「キリストの墓」伝説について。
ミステリアスでディープな青森の一面も垣間見ることが出来ますよ。
また、十和田湖には高村光太郎による「乙女の像」制作の際、
助手をつとめたのが野辺地町出身で東京芸大彫刻科に学んだ彫刻家小坂圭二でした。
小坂がのちに小川原湖に身を投げた伝説の姉妹の彫像を制作していますが、
その彫像を現地と同じ構図で展示しています。
その他にも志功の奥入瀬渓流の油絵など、
今回は春の新緑にぴったりのラインナップになっていました。
そして、美術館の人気者(犬!?)である奈良美智さんの「あおもり犬」は、
今年から記念撮影がOKに!
春コレ、夏コレ、秋コレ・・・とシーズン毎に「あおもり犬」の前で撮影するのも
足を運ぶ楽しみですね。
また、7月下旬には、「あおもり犬」をガラス越しではなく、
トレンチの中で対面できるようになるそうですから、一層、魅力アップ!!
たっぷり堪能して、帰る頃には、エントランスの外壁にはネオンが・・・。
美術館ですから当然、作品が主役なのですが、
ここの美術館は、ロゴマークやサインも重要な見どころ!
ロゴマークやロゴ書体の設計などビジュアルイメージの徹底を行っているのも魅力。
ロゴマークは、木の形を図案化したもので、色は青く、複数の木が集まって構成されています。
木が集まって森になる。青い木が集まるから『青森』。美術館の白い外壁には、ネオン管で作ったロゴマークを222個が夕刻に灯ります。
書体は青森フォント。水平と垂直、45度の角度のみの線を使用して
直線的なフォントをひとつひとつ作成しているという徹底ぶり。
そのビジュアルアイデンティティ(VI)を担当しているのが、ブルーマークの菊地敦己さん。
私が美術館に行った23日には、館内サインの見直しのために青森にいらしていました。
今年の秋頃までには、見直しが終わる計画とのことですので、
開館からの皆様からのご意見が反映されたバージョンアップした館内サインも期待できますね。
エレベーター、消火栓、コインロッカー、トイレ・・・など、館内のいたるところで
菊地さんのサインやピクトを目にしますので、探索してみるのもおススメです。
作って終わりではなく、人が出入りしてからも、手直しして、成長していく
美術館と館内サインに注目です。
ミュージアムショップでは、菊地さんがデザインしたカップ&ソーサー&プレートの
セットを買うことができます。
カップを裏返すとハンドル部分が、木をかたどった美術館シンボルマークの半形と
同じフォルムになっていることから「HALF TREE」と名付けられています。
ソフトな肌合いを持ちながらも強度が強いので、毎日使う器として人気が高いようです。
青森に来た記念にいかがですか!?
By Kuu
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