青森市新町にあるおしゃれなギャラリーNOVITA。
ランチの後、前を通ると、華やかな配色で定評のある福田カヨ子さん(青森市在住/70歳)のこぎん刺しの個展が開催されていました。
今回の「古麻(こふ)に出会って こぎん刺し展」は、明治時代から100年余り眠っていた古麻にこぎんの模様を刺したという貴重な展覧会。
福田さんのこぎんとの出会いは高校生のクラブ活動。
卒業後、その家庭科の先生であった工藤得子先生に師事し、
今では生徒さん20名程に指導するまでに・・・。
こぎんと出会ってから50年以上になるそうですが、
この古麻との出会いは昭和30年代前半に着物の収集をしていた方から
着物の状態で譲られ大事に保管していたもので、
こうして残っているものは珍しいとのこと。
会場では、こぎん刺しを施した明治時代の着物も手にとって見ることができ、
凝ったものでは、2回刺して、保温性を高めているものなど
当時の生活を思い浮かべることができます。
そのような貴重な藍色の着物を丁寧に解し、こぎん刺しをした作品を中心に、
半年ほどかけて制作した10点の作品が展示されていました。
中には、茶色の麻にカラフルな糸で刺した福田さんらしい作品も。
目玉は、幅1.4メートル、長さ2.6メートルのタペストリー兼テーブルクロス。
こちらは、幅もあるため1年がかりで作成。
東京の方から、壁にもかけられて、テーブルクロスにもなるこのサイズで頼まれ
図案を起こすところからスタート。
幅もあるため、かなり努力と根気を要したとのことで、
縁には、青の糸を刺し光線によって表情を変えてみえるように工夫された超大作。
これを広いところで展示したいという想いから、この個展にいたったそうです。
「私の作品の特徴はカラフルな配色と模様の多さなんです。
大抵3色くらいは入れているかしら。
今回は古麻のものは、伝統的な紺と白を中心にしたけど、
私の作品は、カラフルなので、すぐ見分けがつくんですよ。
それと、無機質なものやモダンなものともこぎんは合うんです。
だからこのコンクリートが見え隠れする無機質でモダンなこのギャラリーを選びました。
何か大きなことがないと展覧会は開催しないので、次やるとしても5年後かしら。」
と、上品に笑いながらお話してくださいました。
展覧会は6月1日(日)までですが、福田さんの作品は、青森グランドホテル、
ホテル青森、ホテル松園、浅虫観光ホテルで購入することもできるとお聞きし、
折角なので帰りに青森グランドホテルに寄ってみました。
本当に見事にカラフル!
配色と図案の豊かさが特徴で、ひと目で福田さんの作品と分かります。
名刺入れやティッシュケース、バックやタペストリーなどと
インテリアから身の回りの小物までバラエティーに富んでいて飽きのこないデザイン。
その中から自分に似合うものを探し出す楽しみもあります。
明治時代から眠っていた古麻に刺した作品は本当に貴重ですよ!
By Kuu
《古麻に出会って こぎん刺し展》
会期 2008.5.28(水)-6.1(日)
11:00-18:00(最終日17:00)
会場 ギャラリーNOVITA
青森市新町1-11-15
℡ 017-773-3746
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