青森には、
あまり知られていない驚くべき農産物がたくさんあります。
今回ご紹介するのは、鶴田町「いちばん農園」の「ダイアナブライト」というサクランボです。
ダイアナブライトは、佐藤錦やナポレオンなどが混在する山形県内のサクランボ園から生まれた自然交雑種。
親の組み合わせははっきりしていませんが、
大粒で果肉がしっかりしているところは「ナポレオン」、
美しい外観とバランスの良い甘味は「佐藤錦」、
二つの長所を集約したようなサクランボだと言われます。
最大の特徴はなんと言ってもその大きさ。
通常でも12~13グラム、最大で17グラムほどになるダイアナブライトは、
通常の佐藤錦の1.5倍から2倍で、
大きなものは500円硬貨を楽々超えるほどなのです。
しかし、栽培にはとても手間がかかるため、
栽培している人は全国的に珍しく、
青森県ではここ「いちばん農園」だけなのだとか。
サクランボは通常、
植えてから実がなるまで5~7年。
ところが、この「いちばん農園」のダイアナブライトは、
結実までに15年という長い歳月を要したのだそうです。
花は咲いても実らない年が続き、
同じくダイアナブライトを植えた仲間達は次々と伐採しましたが、
園主の赤城さんは決して切ろうとはしませんでした。
ダイアナブライトを信じ、そして自分を信じたからでしょう。
ここに、信念を貫く青森の生産者の意地と情熱があります。
今では、その素晴らしさが認められ、
JAL国際線のファーストクラスでも提供されています(期間限定)。
そういえば、この品種に関わりのある品種は、
ナポレオン・ボナパルトに由来する「ナポレオン」。
もともとの名を「マリーアントワネット」という「佐藤錦」。
そしてこの「ダイアナ」・・・。
どうりで、すごいわけです(笑)。
ナポレオンと言えば、
今、青森県立美術館で「大ナポレオン展」を開催中ですよ。
by 義人
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