青森県は下北半島、旧大畑町。
現在はむつ市に合併された町ですが、町名を冠する大畑川という川が存在します。
その中流域は「薬研渓流」と呼ばれ、川沿いの温泉とともに、渓流の美しさで知られます。
夏も盛り、森に行けばちょっと涼しいかも。いい空気を吸えばリフレッシュもできそうだし…
というわけでやってきたのが奥薬研にある修景公園。
駐車場のすぐ脇では、恐山を開いた慈覚大師道に迷い、怪我をしたときに助けてくれたという伝説にちなむ河童の像がお出迎え。
近づくと噴水を出して歓迎してくれるという、予想外にお茶目なヤツです。
なかなか水が止まらないので、「ま、いっか」と河童像を後にして遊歩道へ。
薬研渓流を下に見ながら奥薬研橋を渡り
数分で大畑ヒバ施業実験林に至ります。
青森県は全国のヒバの85%を蓄財しているヒバ産地ですが、ヒバはとても成長が遅く、その生態や増やす方法を調査するための実験林がここ、薬研渓流に設けられているのです。
全国各地の見本林を眺めていると、足下になぜか線路跡が…営林署が大正の終わりに敷設した、森林鉄道跡です。
往時は延長が60キロにも及び、街中に十数カ所あった貯木場に材木を運び出し、また、温泉へと人も運んでいたそうですが、木材運搬の主役が自動車へと移り変わり、今はその一部が当時を偲ばせる形跡として残されているだけとなっています。
この辺りに来ると、もうすっかり気分は森の人です。
上を向けば眩しく注ぐ木漏れ日が、右手には渓流のせせらぎが、耳を澄ませば鳥の声が、木々のざわめきが…
少し立ち止まって深呼吸をするのも良いでしょう。
先を急ぐなんてもったいない。自分のペースでのんびり、歩きましょう。
ちょっとくらい虫がいたっていいじゃないですか。それが自然なんですから。
森を満喫したら「乙女橋」という可憐な名前とは裏腹の、よく揺れる吊り橋を渡って対岸へ。
舗装された道路に出ると、森の中の空気との違いにちょっと驚くかもしれません。
フィトンチッドが…とか、マイナスイオンが…という理屈ではなく、さっきまでいた森の空気がいかに心地よいものだったか、きっと実感できます。
ここから左手に歩くと、数分で「隠れカッパの湯」や、薬研渓流随一の見所「大滝」に至ります。
反対に歩くと数分で「カッパの湯」付近を経由し、修景公園レストハウスに戻れます。
レストハウスには「夫婦かっぱの湯」がありますので、温泉で汗を流すのもよし、昨年10月にオープンした足湯で疲れを癒すのもよし。身も心もさっぱりした気分になって帰りましょう。
今回ご紹介したのは全体で20分ほどの短いコースですが、それでも結構、変化を楽しんで森を歩くことができます。(物足りない!と言う方は、全部で2時間ほどのコースもあります)
秋には素晴らしい紅葉を眺めながら歩くこともできる薬研渓流、ココロの洗濯に一度、訪れてみてはいかがでしょうか。
by くどぱん!
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