味噌。
かつてはそれぞれの家庭でつくられ、その味を自慢したことから「手前みそ」という言葉が生まれたように、日本の文化と深~い関わりを持つ調味料です。
今でも味噌汁に、お鍋に、きゅうりのお供に…と食卓には欠かせない味噌ですが、そういえばどんなふうに造られてるのかな…
ということで今回は、日本で唯一、温泉醸造の味噌を造っている大鰐町の津軽味噌醤油(株)(通称「マルシチ」)さんに、“社会見学”に伺ってみました。
まず立ち寄ったのが事務室。
…お、「みそのできるまで」ですか。いきなり良い雰囲気ですネ。
なるほどー、こうして味噌は造られるのですね。勉強になりますφ(.. )メモメモ
お邪魔した日はちょうど米麹を作るための仕込みの日。
とても雰囲気のある階段を上っていくと巨大なお釜が!蒸しているお米の量は1.2t!
実はお釜の能力はもっとあるそうですが、一度の仕込み量が増えると品質管理が難しくなるそうです。
(写真は蒸し上がったお米を釜から取り出している様子。暑…いや、熱そうです!)
お米が蒸し上がったら適温まで冷まして、タネ菌を加えて47~48時間。
その後はもう一方の主役、蒸した大豆と塩を加えて、“温泉醸造”の所以である温醸室へ。
コンクリート製のタンクの間を温泉が入ったパイプが通っており、白味噌なら2ヶ月ほど、赤味噌なら4ヶ月弱ほど寝かせます。
温泉の力で通常より熟成が早まるわけですが、その一方で、温泉の熱によって味・香りを高める働きをする菌が発生しているのだとか。うーん、不思議…
マルシチさんでは、津軽産の大豆(おおすず)100%使用という、原料にもこだわった味噌も造っています。おおすずは味噌・醤油の原料としてはもったいない、と言われることもあるほど、風味の良い大豆だそうです。
さて、こうして造られる温泉醸造味噌。
随所に人の手が入るため大量生産はできませんが、その分、関わる人の想いが込められているのかもしれません。見学した後に食べた”焼かない、具もない”味噌おにぎりが、どうしてあれほど美味しかったのか…
建物もお味噌も、なんだかとても懐かしい“味”がある。
100年の歴史を重ねたこの場所で、昔と変わらないお味噌がずっと作り続けられることを願わずにはいられませんでした。
by くどぱん!
※マルシチさんの温泉醸造味噌は、飯田橋にある青森県のアンテナショップでも購入することができます。津軽大豆100%使用のものはラベルに表示がありますので、ぜひ一度味わってみてください(^_^)b
掲載されている内容は取材当時の情報です。メニュー、料金、営業日など変更になっている可能性がありますので、最新の情報は店舗等に直接お問合せください。