青森ではついに先週、初雪が観測されました。
酸ヶ湯では積雪もあり、場所によっては”紅葉と雪”という、めったに見れない景色を楽しむことができたと思います。
雪は人々に冬の訪れを実感させ、人によっては(私?)少ぉし憂鬱さも感じるものですが、反面、そんな思いもかけない美しい景色を作り出したりもするという、いろんな意味でニクイやつです。
そして寒くなってくるとありがたいのが…はい、そうですね、温泉です。
今回ご紹介するのは「湯段温泉」。
元の岩木町(現弘前市)にある、これまた湯治の温泉郷です。
六代目柴田長兵衛の先祖の長兵衛が、享保9年(1724年)に温泉を開いたと書かれた看板が温泉郷の入口にあります。しかもその”柴田”はあの柴田勝家に連なる一族だとか…うーん、すごい歴史。
こちらも湯ノ沢温泉と同じく、集中している宿は4軒ですが、その距離はとても近く、お互い徒歩数十秒で着いてしまうほど。そのためか、泉質は全て同じだそうです。(※この他にも湯段温泉と呼ばれる温泉は数軒あります)
では、ど・れ・に・し・よ・う・か・な…とお邪魔したのは「ゆだんの宿」。
入口はきれいに改装されて、いまどきなお宿の雰囲気があります。とはいえ、中を探検させていただくと、きれいに磨かれた床、広いわけではないけどくつろげそうなお部屋など、湯治宿の雰囲気もちゃんとありました。
ご主人にお話を聞いてみると、ここも料理付きの宿泊が一般的になっているとのこと。時代の流れなのでしょうが、文化と言ってもいい習慣が薄れるのは、やっぱりちょっと残念かな…
さて、気を取り直してお風呂へ。ぱっと目をひくのがその窓です。
手入れのされたお庭が、まるで一幅の画のように切り取られて見えます。この日はお天気も良く、油断するとついつい長湯してしまいそう。
湯船はあまり大きくありません。3人くらいも入れば一杯になるでしょうか。
お湯は少し茶色がかっており、流れ出るお湯をちょっとなめてみると…ん?酸っぱいというか、金属っぽい味がします。泉質は含塩化土類~土類弱食塩泉だそうです。
しかし気持ちいいですね…おっといけない湯段した、長湯になっちゃいました。(すいません(^^ゞ)
その他のお宿も駆け足にはなりますがちょっとご紹介。
「長兵衛旅館」(※写真左から順に)
温泉を開いた”長兵衛”の名を冠するこの宿が、湯段で最初に開かれた旅館です。次回は是非その歴史と実力のほどを味わってみたいものです。
「静明館」
看板の”旅館 静明館”の文字が、漆喰が型どられてそのまま書かれています。一種の鏝絵と考えていいのでしょうか、年月を経たものだけが持つ深い味わいが感じられます。最近宿泊はお止めになったそうです…残念。
「新栄館」
伺った時は宿の方が不在でしたが、入口にちゃんと案内がありました。「ご入浴 館主が留守の時でもセルフサービスでお入り下さい 料金は中の料金袋に入れて下さい」と味のある字で書かれています。こういうおおらかな雰囲気が、いかにも土地に似合います。
ちょっと周りを歩くとすぐそこに岩木山が。気持ちいいですねー
というわけで、私の当番は3回にわたって湯治のお宿を紹介してきました。
普段あまり目を向けることもないかもしれませんが、行ってみると”湯”で”治”す(古遠部温泉のご主人の言葉を借りれば、その環境も含めて)だけあって、とっても癒される雰囲気があるところばかりです。
皆さんもたまには足を伸ばして、普段とはちょっと違う温泉を楽しんでみてはいかがでしょうか…っていうか、自分もまた行きたいです!
by くどぱん!
○ゆだんの宿
弘前市常盤野字湯段萢8
TEL.0172-83-2234(立ち寄り入浴300円)
○長兵衛旅館
弘前市常盤野字湯段萢33-2
TEL.0172-83-2151(立ち寄り入浴250円)
○静明館
弘前市常盤野字湯段萢28-1
TEL.0172-83-2150(立ち寄り入浴250円)
○新栄館
弘前市大字常盤野字湯段萢(立ち寄り入浴250円)
掲載されている内容は取材当時の情報です。メニュー、料金、営業日など変更になっている可能性がありますので、最新の情報は店舗等に直接お問合せください。