ちょっと前の話になりますが、年越しの準備に忙しい青森市は古川、ニコニコ通りへ。
しめ縄なんかも売っててすっかり年の瀬の空気ですね~、なんて一人のんきに歩きながら、目指したお店はおもちゃ・駄菓子の卸売り、小笠原玩具店と和島商店。
ニコニコ通りは未だに昭和の雰囲気を色濃く残す通りですが、この界隈のお店は終戦直後にできたものが多いそうで、こちらの両店も同じように、終戦直後から続いているお店なのだそうです。そういえば、お店の陳列スタイルも年季が感じられますネ。
左が小笠原玩具店、右が和島商店。小笠原さんとこの台はよく見たらりんご箱!
店頭に「ずらっ」と並んだおもちゃ・駄菓子の数々…いやぁ、これは壮観だなあ。
昔とは様変わりしたものもずいぶん多いですが、このブログでも取り上げた青森オリジナル駄菓子、「いも当て」や「大王」、「あん玉」なんかはちゃんと売ってます。
普段よく売れるのはきなこ菓子などだそうですが、年末にはこういった“当て物”がよく出るそうです。やっぱりお正月に親戚の子供なんかが集まって、あれこれ言いながらくじを引いたりするんでしょうね。
中でも人気は「あん玉」。年末は何百という単位で売れる(!)そうですが、冬が暖かいとあまり売れ行きが良くないのだとか。
…なんで?と思ったら「暖かい時にそんなに甘いもの食べたくないでしょ~」とのこと。
なるほど、気持ちは分かります(笑)
この両店はいずれも卸なので、全て箱売り。一個ずつくじを引くような買い方はできません。
でも、見ていると少しずつ、子供の頃の記憶が蘇ってきます。駄菓子屋のおばちゃんや友達とわいわい言ってくじをひき、フェリックスガム、イカくん、うまい棒などのお菓子を買い…
私は弘前出身なので「あん玉」より「大王」派なのですが、このくじで「親」や「大王」が当たると友達に自慢したくなり、大事に取っておいてカピカピに乾いてしまい、結局食べれなかったり…(それって大事にしてないんじゃ?)
農閑期になると父親が出稼ぎに出ていたのですが、年末に帰ってくるとこうした当て物菓子をお土産に買ってきてくれ、普段は駄菓子屋で一個、二個と辛抱して買っていた物が「ぜんぶ!」家にある、ということでなんだかすごく贅沢な気分になったり…
そんな昔と変わらない駄菓子もあれば、今はなくなってしまったものもあるそうです。
代表的なのが「甘納豆くじ」。小さな袋に甘納豆とくじが入っていて、当たるとおもちゃなどが景品として貰えるものです。
ちょっと堅めの小粒な甘納豆がとても美味であった、という記憶がありますが、なくなったなんて、なんだか残念ですね…
「そうでしょ~」なんてお店の方と思わず昔話に花が咲き、「あっと、お店の写真撮らなきゃ」と外に出たら、もうとっぷりと日が暮れていました。
ああ、そういえば冬は学校から帰って駄菓子買って夢中になってると、それだけで日が暮れたもんだよなぁ…(そして帰ると「遅い!」と叱られる(;^_^A
和島商店さん店内にて。カタヌキ、宵宮なんかでやりましたねぇ。奥の津軽凧も売り物です
こうしたお店に親子連れで来るお客さんは、大抵親御さんの方が喜んで見ているそうですが、それも納得です。
手に入る物は決して贅沢ではなかったけど、贅沢な思い出ならいっぱい詰まっている。
子供の頃に買った駄菓子には、大人になっても童心に返す、そんな魔法がかけられていたのかもね…なんてことを思いながら帰り道についた、古川三…いやいや、一丁目の夕暮れでした。
by くどぱん!
○小笠原玩具店
青森市古川1丁目2-1
○和島商店
青森市古川1丁目1-4
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