こんなに寒い冬に開催されているからこそしっくりくる展覧会が
青森県立美術館で開催されています。
すでに、ポン太さん、clear skyさん、はなこさん、BLUE SAPPHIREさん・・・と、
青森県内のブロガーさんもお出掛け済の展覧会、
『小島一郎 北を撮る』!
小島一郎は、1924年青森市本町の小島写真機店の長男として生まれ、
父・平八郎、次男、四男と親子4人が写真家。
父もまた、青森県写真材料商組合の初代組合長を務め、県内初のアマチュア写真家の
懸賞写真を募集するなど、青森県の写真界において草分け的な存在。
なんと、あの澤田教一もここの小島写真機店で働いていたんですって♪
小島写真機店の前で小島家の人々と澤田教一(前列右)
小島は、昭和21年、中国から敗残兵として青森へ帰郷。
焦土と化した故郷では、家族のため、食糧の買い出しに行くのが小島の仕事。
米の世話をしてくれる親友を頼り、つがる市の木造にしばしば足を運びます。
それから数年後、本格的に写真家として活動を始めますが、
その時、かつて買い出しに通った津軽野の風景を想起し、秋の日に撮影に出かけ・・・
それから小島は津軽の魅力に取り憑かれ、雪で道なき道を進み、吹雪に向かい、
感動した一瞬一瞬を情熱的にシャッターにおさめ・・・
晩秋の夕焼けの下で働く農夫の写真はミレーの絵画のよう・・・
小島の世界は、とても絵画的で印象的。
微妙なグラデーションが美しく、柔和に仕上げた「津軽」はまるで海外の絵画のようだし、
激しいコントラストに焼付けた下北は「宇宙」のようであるし、・・・
小島のカメラを手にして取り憑かれたような想いはビシバシと伝わってきて、
見ているコチラもどんどん惹きこまれ、取り憑かれてしまいます。
それもそのはず!!
小島自身が焼き付けたオリジナルプリントを目の当たりにしているのですから。
東京での個展会場の雰囲気を当時の写真で再現したコーナーもあり、
展覧会で観ている人を観ているという自分に笑えたり・・・
個展開催当時に焼付けたものと、現在残っている写真とでは、同じ写真でも、
空の微妙な表現が全く違っていることが観ることができます。
小島の写真家としてのは、およそ10年。
その短い中で、個展を開催したり、カメラ芸術新人賞を受賞するなど、
多くの人に作品を観てもらう機会を与えられた小島は、
写真家としては、濃密に活動し、恵まれていた方だなぁと・・・。
今日も、仕事で津軽方面を歩いたのですが、その雪景色と小島のそれとが
グオングオンと何度も激しくオーバーラップ。
たった一度の鑑賞で、何度も何度も楽しめる展覧会ですよ~~♪
そうそう、美術館のユニフォームが”mina perhonen”の皆川明さんデザインのものに
リニューアル!!
以前のモカ色もエレガントでしたが、こちらもとっても可愛いユニフォームでした♪
By Kuu
《小島一郎 – 北を撮る - 》
会期 2009年1月10日 (土) – 3月8日 (日) 公開日:55日間
休館 1月26日 (月)、2月9日 (月)、2月23日 (月)
開館時間 9:30 – 17:00 (入館は16:30まで)
会場 青森県立美術館
青森市安田字近野185 Tel 017-783-3000
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