皆さま既によくご存じだと思いますが、今年は太宰生誕100年の年です。
これまでにも、金木や弘前の情報を中心に様々お伝えしてきましたね。
6月19日の生誕百年祭に向けていよいよ盛り上がってきていますが、この盛り上がりは決して青森だけではないのです!!!
まず、今年から来年にかけて、太宰作品が4本映画化されます!1年に4本も!です。
「朝、食堂でスウプを一さじ、すっと吸ってお母さまが、「あ。」と幽かな叫び声をお挙げになった。」
・斜陽(佐藤江梨子、温水洋一、秋原正俊監督、5/9公開)
青森県内では青森松竹アムゼ、シネマヴィレッジ8・イオン柏、八戸フォーラムで上映されます。
「あわただしく、玄関を開ける音が聞こえて、私はその音で、眼をさましましたが、それは泥酔の夫の、深夜の帰宅に決まっているのでございますから、そのまま黙って寝ていました。」
・ヴィヨンの妻(松たか子、浅野忠信、根岸吉太郎監督、10/10公開)
「君、思い違いしちゃいけない。」
・パンドラの匣(染谷将太、川上未映子、冨長昌敬監督、秋公開)
そして・・・
「私は、その男の写真を三葉、見たことがある。」
・人間失格(生田斗真、荒戸源治郎監督、来年公開) 7月撮影開始だそうです。
発行累計が1000万部を超えるそうです。いつの時代でも読者の心をつかむのですね。
しかし・・・この4作品はどれも大作ですが、いかんせん我らが青森が舞台になっていません!何たることでしょう!
そういう方々には、是非とも「津軽」をお読みいただき、躊躇しつつも母なる津軽を求める太宰の繊細な心の動きを感じつつ、はちゃめちゃ旅行ぶりにくすっと笑っていただきたいと思います。
また、ちくま文庫の太宰治全集8(筑摩書房)は、太宰が金木に疎開中に書かれた全作品が1冊に収まっていますので、舞台は青森じゃなくても、津軽の「濃い」空気の中で書かれた作品を堪能できます。
またまた、新潮社からは、「人間失格ではない太宰治」と題して、爆笑問題の太田光さんが選んだ11編が掲載された本が出版されました。これには、上記映画に出演した松たか子さん、佐藤江梨子さん、川上未映子さんのそれぞれの太宰に関するエッセイが掲載されているほか、太宰が妻美智子にあてて書いた遺書の写真が掲載されています。
学生時代にいくつかの作品を読んだきりという方も多いと思いますが、これを機に再読してみてはいかがでしょうか?
最後に、「津軽」の有名な結句。
「さらば読者よ、命あらばまた他日。元気で行こう。絶望するな。では、失敬。」
by OAK
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