太宰生誕100年ということで、県内、まだまだ太宰ムードが続いています。
私もそのムードに乗り、旧制弘高時代の太宰になった気分で弘前へ。
まずは、太宰が旧制弘高に通っていた昭和2年から5年まで下宿していた家へ。
太宰の使用した部屋は2階の奥の6畳間。
太宰が使った机や茶箪笥なども残っていて、当時のままの配置で見ることができます。
隣の部屋は中学生だった藤田家の長男・本太郎さんの部屋。
襖一枚の仕切りだったので、仲良く麻雀やチェスをして親交を深めていたといわれています。
本太郎さんは昭和3年にカメラを手にしましたが、太宰は格好の被写体。
七変化する飾らない太宰の素顔も見ることができます。
本太郎さんの残した文章を見ますと、太宰は弘高1年の半ばから義太夫を習い、秋頃から、青森市の花柳界に出入りするようになったんだそうで。
毎週、土曜の放課後に行き、一泊して帰宅するのがきまりで、1回30円くらい使っていたようです。
当時の小学校教員の初任給が月50円の時代、かなりな散財ですよね。
当時の写真も展示されていて、卒業記念の写真などこの家で撮影されたものも♪
この縁側での写真も残っていて、太宰と同じ場所に座って撮影しちゃいました。
また、直筆の資料や写真も展示していて、昭和4年の弘前新聞雑誌部送別会の写真は、学生とは思えない様子で(笑)。
弘高時代に書かれた小説も読めるようになっています。
窓は昔のゆらゆらするガラスで、しばし波打つ影に見とれてしまいました。
そこから当時の太宰の気分に浸りながら、弘前大学(旧制弘高)へテクテク。
途中、ラベンダーの花やドクダミの花も咲いていて、結構楽しい道のり♪
大学敷地内には、先月、除幕された太宰治文学碑。
それには『津軽』から「私には、また別の専門科目があるのだ。世人は仮にその科目を愛と呼んでゐる。・・・」と刻まれています。
つい先日、『津軽』を読んだ私は、フムフムと分かったような気になりながら、向かった先は旧制弘高在校生名簿が刻まれている碑。
へばり付いて探してようやく見つけました津島修治のお名前を。
そして、最後は大学の図書館♪
館内には太宰記念展示のコーナーがあるんです。
17歳の太宰の肖像写真の実物などが一般公開されているんです。弘高入学前に撮影されたもので、中学で優等生であったことを示すバッジをつけた爽やかな1枚。
それを、アルバム(『昭和2年4月入学「写真帖」生徒課』の文甲1組)に貼られたままの状態で見れるなんて貴重です!!
弘高時代に執筆した小説が掲載になった弘高新聞なども展示していて、小菅銀吉など別のペンネームで書かれたものも見ることができます。
大学の図書館にはセキュリティーがかけられていましたが、職員の方に一声かけるだけで見学できました。
図書館の太宰記念展示は7月16日までです♪
by Kuu
《旧藤田家住宅太宰治まなびの家》
弘前市御幸町9-1
10:00~16:00 無料
休館 12月29日~1月3日
《太宰記念展示》
弘前市文京町1 附属図書館
平日:9:00~17:00
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