板画家としてよく知られている棟方志功。
一昨日13日が、命日でしたね。
ご存知の方も多いかもしれませんが、志功は最初、「わだば、ゴッホになる!!」という言葉通り、ゴッホにあこがれ油絵画家を目指しました。
板画の道へ進んだ後も、晩年まで油絵を描き続け個展などで発表していました。
そんな志功の油絵作品を初期から晩年まで紹介する展覧会が棟方志功記念館で開催中です。
実は、夏の展示でもあり、もっと早くご紹介したかったんですが、スイマセン、今日になってしまいました。
といいますのも、志功があこがれたゴッホのひまわりが咲いていたから・・・。
記念館の30周年記念として、ゴッホが見ていたアルル地方のひまわりの種を入手できないかとアルルの観光局やオランダのゴッホ美術館にお手紙を書いていた記念館。
なかなか上手く進まずにいたある日、記念館の軒先で雨宿りしていたアルル出身の青年モーガン・ベネットさんに館長さんが声をかけたのがきっかけ。
2ヵ月後の2004年10月に、アルル少年から種が2袋届きます。
これを機に、花を咲かせては、種にし・・・と今年で4年目になるひまわり。
枯れそうになりながらも、凛々しく咲く大きなひまわりにようやく昨日、会えました~♪
記念館の夏の展示はなんといっても『太陽花シリーズ』が見所!!
冒頭でも少し触れましたが、雑誌「白樺」に掲載された原色版のゴッホのひまわりを見て感動し、油絵画家を目指したというのは有名な話ですね。
そのゴッホのひまわりと同じ構図で志功が描いた作品が館内に鮮やかに満開に咲いていました♪
※館内は撮影禁止です。許可を得て撮影しています。
志功にとって特別な想いのある花、ひまわり。
アトリエの庭に植えた八重ひまわりが咲くと喜んで筆を執って描いたといいます。
このシリーズは志功晩年(69歳)の1972年に描かれたものですが、力強いタッチですね。
その他にも、油絵画家を目指して上京後、まもなくの「松原図」(1925年)は、青森市の合浦公園の松原を思わせる風景。東京で思い出して描いていたのかもしれませんね。
そして、「庭B」、「少女」などの大作も展示。
この少女は、志功の長女なのかも。
志功の初めての画集で、唯一の油絵画集「棟方志功画集」(日本版画院編集、昭森社刊)には、浅虫での家族の姿を描いた作品や八甲田山、十和田湖など故郷の風景を描いた作品が収められています。
初めての画集が油絵ということからも、油絵への想いがどれほどだったかということが分かりますね♪
また、仲の良かった詩人の草野心平らとともに旅行したインドに感動し描いたシリーズ、8日間で70点以上もの作品を制作したといわれている群馬や長野に旅行のシリーズ、対で展示されている「チヤコ眼鏡」、「シコウ眼鏡」、
色んな色の富士山、晩年のひまわり・・・とこれだけの油絵を順をおって一気に見ることができるというのも、なかなかないんじゃないですかね。
近づいて見ると絵の具の盛り上がりまで分かったり、遠めで見ると雰囲気が浮かび上がってきたり、コンパクトなスペースですが、見応え充分!!
また、出世作『釈迦十大弟子』など代表な板画作品、
志功による艶やかな凧絵
なども展示されていて、志功の多彩な才能を堪能することができますよ。
この日は、地元の小学校が社会見学に来ていました。「世界の棟方」のこの展示作品に感動し、未来の芸術家が産まれたら素敵ですね♪
by Kuu
《棟方志功の油絵~描写への情熱~》
会 期 2009.6.30(火)-10.4(日) 9:30-17:00
観覧料 一般500円、大学300円、高校200円、小中無料
場 所 棟方志功記念館(青森市松原2丁目1番2号)
電 話 017-777-4567
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