つい先日、「岩木の漬物、活動に幕」という新聞記事に接しました。
当ブログでも過去に記事になっていますが、昭和43年から「ふるさとの味をつくる会」の皆さんが、地場野菜を使って作り続けてきた、”無添加”にこだわった昔ながらの漬物です。
記事によると、「後継者不足、会員の減少と高齢化」により、「味の継承が困難」になったことがその原因とあります。
とても個人的な話になりますが、この7月に漬物加工センターを訪れ、いろいろな漬物を購入させていただきました。折詰にして持たせてくれた盛りつけの、その美しいこと。
そのとき一緒に訪れた方に今回のニュースを伝えたところ、こうおっしゃいました。
「織物作家があるんだから漬物作家もあっていいのでは。(代表の)小山内さんも漬物工房主宰だったのです。」
さもありなん。
今思えば、一つ一つ丁寧に、昔ながらのふるさとの漬物を味わってもらいたいと作り続ける想いが、そこに形となって表れていたのだと感じます。
前田セツさんが立ち上げ、小山内さんたちが40年にわたって受け継いできた想い。
そのリレーがこれで途切れるのだ、と思うと、何か大切なものが失われたような、とても切ない気持ちになります。
津軽こぎんが大正の終わりから昭和初期に衰退した例に見るように、一度失われたものを蘇らせるというのは、並大抵のことではありません。
もちろん、時代は移り変わり、必要とされるものも変化していくというのは自然なことだと思います。
それでも、長い年月を経て積み重なった想いが生み出す、「変わらない価値」が一方に存在するのも確かです。
私たちのブログは、青森をたくさんの方に知ってもらうために書かれているものですが、これまでにもたくさんの「変わらない価値」を持つ「青森らしい」ものが紹介されています。
今回のニュースに触れて、そういったものがいつまでも残ってくれるように、願わずにはいられませんでした。
いずれにしても、小山内カネヨさんをはじめ、最後までおいしい漬物を作り続けてくださった4名の皆さんには、心から「ありがとうございました」と言いたいと思います。
本当に美しくておいしい、すてきな漬物でした。
長い間、”贅沢”ではない”豊かさ”を、私たちに届けてくれたことに感謝します。
「また買いに来ます」と言った約束を守れなくなったことはとても残念ですが、皆さんお体には気をつけて、いつまでもお元気でいてください。
そしていつか、皆さんの想いを受け継いだ漬物とまた会えることを願っています。
by くどぱん。+゚(゚´Д`゚)゚+。
P.S.9月18日から23日まで、さくら野弘前店で「さよならセール」が開催されます。最後ではありますが、たくさんの方に訪れていただけると嬉しく思います。
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