まるごと青森

妖怪展 ~神・もののけ・祈り~

妖怪展 ~神・もののけ・祈り~ 青森県立郷土館

イベント・まつり | 2009-09-20 09:30

「おにぃ~のパンツはいいパンツ、強いぞ、強いぞ♪」と、鼻歌を歌いながら向かったのは青森県立郷土館。
前から気になっていた話題の企画展「妖怪展」を観賞してきました。

もともと姿かたちのない存在、または鬼の姿として認識されてきた妖怪の世界。
室町時代から道具や動物たちが変化した「つくも神」や化け物たちとして描かれ始めたそうで、こちらでは琵琶や傘、蛸や蛙などが描かれた百鬼夜行や、孫悟空やろくろ首、欧米の船を頭に乗せた化け物などが描かれた幕末の画本西遊記百鬼夜行之図などが展示されていました。

妖怪展 ~神・もののけ・祈り~

また、日本各地に出現した化け物の出現情報を記録したものもあり、その中には津軽地方で秋になると出現する粟穂を食べる生物も。

妖怪展 ~神・もののけ・祈り~

当時、藩領を越えて各地の情報交流があり、江戸にその情報が集まっていたんだとか。
それを図鑑のように描いたのが鳥山石燕。このころから化け物たちは定型化し、実在の恐怖の対象としてだけではなく、娯楽性も持つようになったそうで、昭和40年代にブームを呼んだ水木しげるによる妖怪漫画にも影響を与えたといいます。

下川原焼でも鬼がモチーフになっているんですねぇ♪

妖怪展 ~神・もののけ・祈り~

そして進んでいくと、怪しげなお家が・・・。

妖怪展 ~神・もののけ・祈り~ 妖怪展 ~神・もののけ・祈り~

備後国に住む16歳の稲生平太郎の邸宅に、約1ヶ月にわたって毎日現れた化け物を平田篤胤が紹介した稲生物怪録。
その写しを津軽の今村真種が入手し、平尾魯仙に依頼して原書の意をそのままに、描いた資料とともに、それを映像で見せているんです。
生首が飛んでいたり、妖魔が議論していたり・・・不思議な世界です。
郷土館のブログでも紙芝居のように紹介されています。

そして、弘前にある鬼神社の鬼面。なぜか角がありません。
また、鬼神様の御神体が入っていたという箱や鬼女が証文を入れて埋めたといわれている石櫃など不思議なものも。

妖怪展 ~神・もののけ・祈り~ 妖怪展 ~神・もののけ・祈り~

弘前では、鬼を神様と尊敬している地域があり、節分の時にも豆をまかないんだとか。

そして、みなさまお待たせしました!!
天狗のミイラ!!

妖怪展 ~神・もののけ・祈り~

八戸南部家で持っていたものだそうで、痛みも激しくなってきているため、この展覧会以降は公開しないかもという噂!!お見逃しなく!!

続きまして、同じく八戸南部家で持っていた人魚のミイラ!!
こちらの人魚には頭が2つあります。

妖怪展 ~神・もののけ・祈り~

そして、外ヶ浜町平舘地域の網にかかったという顔が人、体が魚の化け物の記録や、弘前藩兵学者横山家や所蔵していた「御画男人魚」も。

妖怪展 ~神・もののけ・祈り~

包紙の記述によると、この魚を見る者は長寿になるんだそうで、弘前藩の若殿が「母親に見せよ」と筆者してくれたものだとか。なんと優しいお殿様♪

そして、保存状態がよく色鮮やかな十王図(鯵ヶ沢町・高澤寺蔵)。冥土に行く途中に10人の地獄の王たちに裁きを受けるという場面を描いたものなのですが、それとセットで裁きの様子を木で造ったお人形(三戸町・林泉寺蔵)も。

妖怪展 ~神・もののけ・祈り~ 妖怪展 ~神・もののけ・祈り~

地獄絵は、金木の雲祥寺で太宰も見て怖がったという話があるように、悪いことをすれば地獄に落ちるという道徳的な意味合いがあったんでしょうね。

そして、最後の最後、「断首図」(弘前市・正傳寺蔵)。

妖怪展 ~神・もののけ・祈り~

暗殺されてさらし首にされたものをスケッチしたもので、血の部分は本物の血なんだとか。きゃ~~!!
以前、テレビの生放送で紹介されたとき、閉じている目が開いたと評判になったアノ絵ですぅう~~!!
もう1本も僧侶の断首図で、この2本の軸を持っているとタンスが鳴り、母親も体調を壊したため、お寺に移されたんだそうで・・・。

ということで、鑑賞されるコースとしては、断首図を見た後は、戻って人魚の絵を見て長寿を祈ってから、断首図を見ないように注意して帰りましょうね!

神、自然界への畏敬の念、不安と恐怖・・・、さまざまな角度から異界を探求できる展覧会、シルバーウイークにいかがでしょうか。
帰りは背中をゾクゾクッとさせながらも、鼻歌はもちろん「ゲ、ゲ、ゲゲゲのゲ~~~♪」
by Kuu

《妖怪展 ~神・もののけ・祈り~》
会 期 2009.8.28(金)-10.12(月) 9:00-18:00(会期中は無休)
観覧料 一般500円、高大240円、小中無料
場 所 青森県立郷土館(青森市本町2-8-14)
電 話 017-777-1585

掲載されている内容は取材当時の情報です。メニュー、料金、営業日など変更になっている可能性がありますので、最新の情報は店舗等に直接お問合せください。

青森の観光・物産・食・特選素材など「まるごと青森」をご紹介するブログ(blog)です。
青森県で暮らす私たちだからこそ知っている情報を県内外の皆様に知っていただく記事をお届けします。

タグ別記事一覧

りんご三内丸山遺跡白神山地毛豆寒立馬美術館最強毛豆決定戦妖怪#食#焼きそばねぶた・ねぷた奥入瀬渓流絶景太宰治灯台青森土産きのこ鮟鱇JOMONトーク伝統芸能アウトドアツーリズム果物山菜・きのこウニ温泉ジオパーク津軽土産アニメあんこう万年筆えんぶりカフェ・レストラン米・パン・穀物津軽海峡自転車ガイドパッケージ買いクラフト風間浦鮟鱇ステンドグラス建物お酒寿司白神山地周辺津軽弁金魚イベントハンドメイド#郷土料理#青森グルメラーメン野菜居酒屋・バーカレー缶バッジおにぎり海藻唐揚げ#お家ごはん中華料理スイーツ魚介種差海岸まつりカンバッジうにぎりわかめ和栗インバウンド#料理エビチャーハンまち歩き肉・卵十和田湖アクティビティおみやげ岩のりe-sportsスタンプお家でシリーズBUNACO白神山地体験レポート伝統工芸田んぼアートマグロお土産津軽弁缶バッジ寒海苔お盆スーパー植物#だし青森県郷土料理三味線ご当地蔦沼寺山修司カフェ迎え火・送り火ハンコ担々麺#アートアウトドアツアー歴史・文化紅葉新緑八戸ブックセンターコーヒー嶽きみコケシ辛い#青森県立美術館#サウナ自然アートランチライトアップイルカプリン熱帯魚クリスマス種差#自然#八甲田山グルメ弘前公園陸奥湾おやき焼き鳥グランピング#エビの釣り堀八戸市食堂ブナコ弘前城フェリー三社大祭日記雪見温泉月見#釣り#太陽光発電ヒバ津軽八甲田尻屋埼灯台館花岸壁朝市ポップアナログレコード#手帳#夏休み鉄道青森岩木山尻屋埼宵宮横丁露天風呂青森県、色彩#桜#風車

月別記事一覧

月別一覧ページへ