『禅林街』
弘前城築城の翌年、城の鬼門を守るため2代藩主 信枚(のぶひら)が津軽一円から曹洞宗の寺院(禅寺)を結集させ、禅林街が誕生しました。禅寺が林のように並んでいることから「禅林街」と呼ばれるようになったそうです。仏教用語で禅林=禅宗の修行をするところ=禅寺のことで、禅寺が33並んでいるので、「禅林街」と呼ばれるようになったそうです。(弘前観光コンベンション協会ホームページより抜粋転載・一部修正)
昨年の春。長勝寺側から通りを望む
禅林街ね。同じ宗派のお寺が33も集まってるのって、全国的にも珍しいんだよね。
俺は弘前市出身だから実家のお寺は禅林街にあるし、知ってる。いいとこだよ…
誰にでもありますよね。有名な場所だったり近くにあったりして、知ってるはずの場所。
でも意外と何気なく通り過ぎて、ちゃんと見てなかったりしませんか?
そんな”知ってるつもり”の場所をもう一回訪れてみるシリーズ、にしたい第1回は、禅林街。
ちょっと前に訪れたのでまだ雪が残ってましたが、やっぱりこの通りは気持ちいいです。
穏やかな雰囲気を作り出す杉並木。右に左にたたずむ、いくつもの寺院。普段は人通りも多くない、静かな参道です。
森閑…と言うのですかね。ゆっくり歩いてるとなんだか風景に自分が溶け込んでいくよう。
そして通りの突き当たりは津軽藩菩提寺、長勝寺。
こちら、津軽藩の菩提寺って言いますけど、実は初代藩主為信の菩提寺は、市内にある革秀寺なんですよね。へへへ、やっぱり知ってるでしょ、俺。
国の重文に指定されている三門をくぐり、境内左手にある蒼龍窟へ。
ここに納められている五百羅漢は、さすがに歴史を感じますが、なお鮮やかな色をとどめています。なかなか見事ですね~。
でもよく見ると中にはちょっと、ユーモラスな仕草や表情をしているものもあります。あの人、「やあ」って言ってない?(笑)
そして蒼龍窟の隣には、いくつあるのか数え切れない仏像群。これは初めて見るなぁ。知らなかった…
こちらも一体一体、形もしぐさも異なり、じっと見ているとなんだか心が透明になっていくような、不思議な感覚がします。
いやぁ、やっぱりいいなぁ、禅林街。でも知らなかったこともあるもんだね…なんて普通に歩いているように書いてますが、実はこの日は、ガイドさんをお願いして団体で歩いています。
曰く、「禅林街の入り口には黒門と赤門がありますが、なぜ色が違うか知ってますか?」
え?…黒門のところにある栄螺堂の赤と関係あります?
「もともとはどっちも黒い門だったんですが、お寺からタクシー呼ぶときに”門の奥で”なんて言うと間違えちゃうんですよ。だから、一方を赤く塗って分かり易くしたんですよ」
Σ(゚Д゚)えー、そんなぁ!タクシーって…絶対なんか歴史があると思いますって!
曰く、「長勝寺に当初から葬られたのは、実は二代藩主の信枚(のぶひら)だけだったんです。その後の藩主は別の寺に葬られていたんですが、その寺が没落し、荒れていくのを見かねて長勝寺に改葬されたのです。」
そうだったんですか…それは知らなかった。
まだまだ書き足りないくらい、今回の訪問はいろんなものが見つかりました。
新しい発見があると、その場所をもっと知りたく、もっと好きになれる気がしますね。
そして、旅をする人に「ここって、実は○○なんですよ」なんて伝えることができたら、きっともっと喜んでもらえる気がするなぁ…
どうでしょう、そんな場所が、皆さんの周りにもありませんか?
そういえば…と思ったらもう一度、出かけてみませんか?
お出かけにはいい季節になりますし、なにより、ふるさとの自慢できるものが増えるって、なんだかとっても素敵なことだって、私は思うのです。
by くどぱん!
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