寒い寒い三本木平ッコア寒い 二度と行くどごでネエ 三本木平ッコへ
昔々、わたしの故郷「十和田市」は、ただ広々としただけの荒野として知られていました。
夏は日照り、冬は八甲田おろしの猛吹雪にあって難渋する者もあり、旅人たちに「魔の野原」と恐れられていたそうです。
しかし、この荒野にもただ一カ所だけ清水の湧き出るところがあり、そのそばには「しろたも」の巨木が三本、天をつくように聳え立ち、夏は木陰を、冬は道標となって、旅人の疲れを癒したそうな。
この木は荒野の中でひときわ目立っていたので、道行く人々は誰言うとなく、この一帯を「三本木」と呼ぶようになったんだとさ。(おしまいおしまい)
そんな十和田のルーツにまつわる歴史の香りを今に伝える御菓子があります。
それが、御菓子司しぶたみさんの「しろたものさと」です。

小さい頃、どこの家にいっても必ず仏前に供えられていて、見るたびに「食べてもいい?」とねだったのを覚えています。
中がまろやかな白餡で、外側がバターミルクのような甘いコーティングがしてあり、当時の私にとってはちょっと高級な御菓子という位置付けでした。

さて・・・
好きなぶん食べることのできなかったのも昔の話、今日の俺は昔の俺とは違うぜ!
「しろたものさと」10個大人買い! (もちろんぜんぶ自分用)(1個130円)
口の中をしろたものさとでいっぱいにするという、永年の夢がついに今日叶います!

これは「かたくり」というお菓子。お湯の中に入れて溶かして葛湯のようにして飲んだり、コーヒーのお供に。落雁のようにも見えますが、食感はもう少し柔らかいのです。ほのかな優しい甘み。緑は抹茶味です。昔は、体調の悪いときにカタクリをお湯に溶かして飲んだんだそうです。1個30円。安い!
名前から推測するに、カタクリでできているのでしょう・・・。(確認中です)
こういう昔ながらのお菓子に関心が向いてきたということは、ワタクシもそろそろミドル突入?との自問自答にちょっとショックを受けつつ、口の中は「しろたものさと」で満たされ、幸福なひとときでした。
十和田に行ったら、ゲンビやバラ焼きもいいけど、たまにはこんなローカル御菓子でもいかがですか?
御菓子司しぶたみ
十和田市稲生町11-34
TEL:0176-23-2033
ところで・・・・
十和田のルーツに深い関わりのある稲生川沿いでこんな彫刻を見つけました。なにかの事情で切らなくてはならなくなった桜の幹部を利用した馬の彫刻。ゲンビのフラワーホースと同じデザイン!

口の中がしろたものさとでモツモツしてます。
by OAK