最近、「人形結い」の神事に足が向いてしまう私ですが、今回もそうなってしまいました。十和田市の梅集落と板ノ沢集落に続いてお邪魔したのは、田子町の飯豊集落。
今回はかや人形ではなく、わら人形の「虫追い」の神事を見学してきました。
午後1時半、集落の中央にある法呂神社に集まった方々は、人形作りの班と紙旗を作る班に分かれて作業を始めました。
飯豊地区の人形づくりは、稲わらの束と束をくっつけ、折り曲げ、重ねていく、というのが基本のようです。
お見苦しい手書きの図で恐縮ですが、下の図のように作っていくようです。
まず、2つの束の根元部分をくっつけ、束ねたところから折り返します(図の左上)。すると、図の右上のようになります。続いて、新たな稲わらを周囲に巻き付けて折り返す(図の左下)と、図の右下のような形ができあがるのです。一つ前の右側の写真がこれに当たります。
こうして形作られた人形は、稲わらの長さにも関係するのでしょうが、かや人形よりもかなり小さく、小学生くらいの大きさでしょうか。しかし・・・
手足の指先まで非常に丁寧に作られており、人間そのもの、という感じを受けました。
一方、紙旗を作る班は、長い半紙に文字を書いていきます。
「奉納 悪虫退散 五穀成就 天下泰平 家内安全」と書かれ(達筆!)、最後に、集落に関係する子どもたちの名前を書き、竹に吊していきます。
人形には、十和田の2集落と同じように、男性(写真左と中央)と女性(写真右)のモノが取り付けられ、顔が描かれた半紙をつけて完成です(一番上の写真)。
神主さんのご祈祷の後、太鼓や笛などの演奏とともに、わら人形を担いで集落を歩き回るのが十和田の神事との大きな違いです。
集落の端から端まで歩き、石碑の前まで来ると・・・
人形を持って踊り、その場で解体して、人形を燃やしてしまうのです。(以前は燃やさずに残しておいたそうですが、しばらくすると朽ち果て、崩れてしまうことから、燃やすようになったそうです。)
人形作りを始める前、集落の代表の方が言っていたのは「みなさん、童心にかえって楽しくやりましょう。」という言葉。「太鼓や笛などの鳴り物がなければ、神事は廃れてしまう。」ということで、その伝承にも努めているようです。この神事のために、集落を離れた人も、子どもを連れて帰ってくるそうで、大人も子どもも一緒になって、楽しく神事を行っていたのがとても印象的でした。
by ハッピーハンド
飯豊集落の虫追いは、同じ田子町の細野地区の虫追いとともに、県の無形民俗文化財に指定されています。細野集落の虫追いは、8月4日に行われます。・・・またまた足が向きそうです。
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