まるごと青森

津軽三味線誕生唯一の語り部 大條和雄さん

津軽三味線誕生唯一の語り部 大條和雄さん

青森の人 | 2010-11-19 12:06

生誕100年の今年、高橋竹山ブームもまだまだ続いていますよ♪

東北新幹線が青森に来るまで、あと15日!!
ここまで来るとカウントダウンも実感が出てきますね。
新幹線で青森旅行を計画されている方の中には、津軽三味線を楽しみのひとつにされているお客様もいらっしゃるのではないでしょうか。

津軽三味線の歴史は、仁太坊(1857-1928)というボサマと呼ばれた男性盲人の門付けから始まっています。
その仁太坊の弟子が昨年生誕100周年だった白川軍八郎、三橋美智也の師匠にあたります。
今年生誕100周年の高橋竹山はというと、仁太坊の弟子の弟子の弟子の弟子(玄孫弟子って表現あるのかしら・・・スイマセン、笑)にあたります。

こうして私たちが知ることができるのも、ルーツを解明された方があってこそ。
もともとボサマが生きるために弾いていたわけですから、文献など残っているわけもなく、調査はボサマの子孫の方に実際にお話を聞いて歩くという地道な積み重ねだったそうです。

今日は、津軽三味線とは何か、いつからどのような歴史を経て今に至るのかについて半世紀にわたって研究されている唯一の方、弘前に住むノンフィクション作家の大條和雄さんのご紹介です。

津軽三味線誕生唯一の語り部 大條和雄さん

個人的に三味線や民謡が大好きな私にとっては、お会いしてお話しできるというのは、本当に夢のようでした!!

大條さんによると津軽三味線の根っこはジャズと同じで底辺から這い上がってきた芸術。
アドリブ演奏が生命で、津軽の「吹き溜まりの文化」で出来上がった音楽なんです。

現在、世の中に出回っている津軽三味線のルーツに関する情報は、大條さんの研究がもとになっているんです。
それだけではありません。大條さんのノンフィクション作品「絃魂津軽三味線」がきっかけで、昭和58年8月のお盆になんと仁太坊の遺骨が見つかったんです。
その時に遺骨とともに発掘された仁太坊の遺品のお盆も大條さんのご自宅に大事に飾られています。

津軽三味線誕生唯一の語り部 大條和雄さん

と、半世紀に渡る研究ですから書き出せば長くなるのですが、毎年開催されている津軽三味線の弘前大会、金木大会、津軽三味線会館の建設などは、全てこの研究から始まっているのです。

津軽三味線誕生唯一の語り部 大條和雄さん

(弘前公園で開催された第一回津軽三味線全国大会で審査委員長を務める大條さん)
大條さんに、生誕100周年の高橋竹山とのエピソードはありますか!?とお聞きしてみました。
「なして今の若げ者(津軽弁で「若い人」)は、ああして叩ぐんだべなって。皮さ撥を当てないようにするのに苦労してやってきたもの(津軽弁で「やってきたのに」)」と竹山さんが大條さんに話したことがあるそうです。
現在よく目にする三味線の駒は数㎜のものなので、皮に当たる音でリズムを取ることが必要なのですが、竹山さんの三味線の駒は2㎝くらいと高く、撥は薄い撥。
そのため、一の絃を強く叩き切ってもボーンと大きな音は出ますが、撥は皮にあたらないという竹山独特の音色に繋がっていたんですって♪

竹山さんの三味線を作ったという青森市内の職人さんからもお話を伺ったことがあるんですが、胴と棹の部分の隙間が少なくするようにであったり、独特のオーダーがあったそうですよ。

津軽三味線のルーツを詳しくお知りになりたい方は、大條さんの書かれた小説を一度読んでみてはいかがでしょうか。
昭和3年生まれの大條さん。とても12月で82歳になられるとは思えないほどパワフル♪
実際に仁太坊が弟子に教えた元曲をボサマから習ったという大條さんは、実際にボサマ三味線を弾いて聞かせてくれたんです、感動♪

津軽三味線誕生唯一の語り部 大條和雄さん

(写真はボサマ三味線の手ほどきを受ける大條さん)

大條さんは、大学などでも講義されていて、学生に語りだけでなく、実際に弾きながら伝承されています。

津軽三味線誕生唯一の語り部 大條和雄さん

ドイツのワールド・ニュージャズフェスティバルやイギリスのメンフィスジャズフェスティバルにも呼ばれちゃうほど凄い方なんですよ!!

さてさて、新幹線全線開業直後の12月9日、邦楽ドラマ「高橋竹山 津軽三味線ひとり旅」青森公演がアウガ多目的ホール開催されるそうです!
ご興味のある方は出掛けてみてはいかがでしょう。

12月23日には青森公立大学講堂で、上妻宏光さん、西川洋子さん、高橋竹堂さんたちが出演する生誕100年メモリアル「津軽竹山節」も開催されるとのこと。
まだまだ竹山生誕100年の今年は熱いですよ!!
by Kuu

■高橋竹山生誕百年記念『高橋竹山 津軽三味線ひとり旅』
2010.12.9日(木) ※昼夜公演
14時-、18:30-
会場/アウガ多目的ホール 青森市新町1-3-7
前売 3500円 (全席自由/当日300円増)

■初代高橋竹山生誕100年メモリアル『津軽竹山節』
2010.12.23(木、祝)
13:30開演(12:30開場)
会場/青森公立大学講堂 青森市合子沢字山崎153-4
入場料は無料ですが、事前申込みが必要です

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