飛べない豚はただの豚だ・・・
私は「この飛行機」を見た瞬間、映画「紅の豚」の台詞を思い出しました。
主人公が乗っていた飛行艇とダブって見えたのですよね。
レトロな感じ(?)のするちょっとずんぐりした機体の側面に、
白い文字ではっきりと書かれている文字は「Miss Veedol」。
そうです、世界初の太平洋無着陸横断飛行に成功したミス・ビードル号です。
(写真は、三沢市にある航空科学館に常設展示されている復元機です。)
ミス・ビードル号は、1931年10月4日に三沢市の淋代海岸を離陸し、
何と約41時間もの間無着陸で飛行を継続してアメリカワシントン州のウェナッチ市に着陸。
世界初の大偉業を達成したのです。
それからちょうど80周年にあたる今年、
三沢の空にミス・ビードル号が帰ってきました。
実は、8月15日、ミス・ビードル号の復元機(展示しているものとは別です。)が、
三沢市の上空を飛んでいたのですが、周囲の方は気がついたでしょうか?
どうやら、航空科学館のスタッフの方も知らなかったこの飛行、
8月18日の「ミス・ビードル号太平洋無着陸横断飛行80周年記念式典」のための
テストフライトだったのです。
轟音とともに飛び出すジェット機とは違い、
プロペラ機の独特な音とともに、ゆっくりと浮き上がるように飛び立つ姿はとても優雅。
赤っぽい機体ということもあり、大きい赤トンボが空を舞っているという印象も受けました。
ところで、大偉業を成し遂げた本物のミス・ビードル号はどうなったかというと・・・
イタリアの医者に売り払われ、最後は大西洋で行方不明になってしまったそうです。
世界初の偉業を達成した貴重な機体なので、
どこかの博物館にでもあるのかなぁと思っていましたが・・・。
とても残念ですね。
この日行われた1時間ほどのテストフライトでは、離着陸を何回も繰り返していました。
最後は、パイロットの方のサービスでしょうか、航空科学館の真上を飛行。
お客様はみんな上空を見上げて、その雄姿を見つめていました。
飛行機のパイロットというのは、何歳になってもあこがれの的ですよね。
それをわかってのことか・・・う~ん、見せつけてくれますね、にくいねこのこの・・・。
本番の飛行は8月18日(天候次第で順延の可能性もあります。)です。
また、9月4日の三沢基地航空祭でも飛行を行いますが、この時が日本で最後の飛行。
再び淋代海岸から、ではなく、太平洋を船で渡り、アメリカに帰国します。
かつて世界を驚かせたミス・ビードル号。
三沢市とアメリカのウェナッチ市を結んだ友好の翼には、青空がとてもよく似合います。
この日はちょっと曇り空でしたが、
本番の日には、雲ひとつない青空が広がるといいですね!
by ハッピーハンド
がんばろう東北! 青森から東北の元気届けます。
<ミス・ビードル号太平洋無着陸横断飛行80周年記念式典・フライト>
8月18日(木) 10:00~
県立三沢航空科学館となり大空ひろば
※フライトは11時頃の予定です。天候により順延されることもあります。
<ラストフライト>
9月4日の三沢基地航空祭で実施予定です。
掲載されている内容は取材当時の情報です。メニュー、料金、営業日など変更になっている可能性がありますので、最新の情報は店舗等に直接お問合せください。