さて、下の写真ですが、何だかわかりますか?
見るからにツボ、ですよね。
ただ、陶器ではなく、何かを編んで作ったことが表面でわかりますよね。
竹? いえいえ、実は、紙なんですよ、これ。
この作品を作ったのは、何と大正15年生まれのおばあちゃん、工藤せこさんです。
工藤さんがこよりで作品を作り始めたのは、今から約40年ほど前です。
地元中学校の校長先生が、地元農家の家計の足しになるような様々な方法を教え、
その中のひとつがこより細工だったそうです。
こより細工は、朝鮮半島で発達して日本にもたらされたそうで、
江戸時代には、徳利や水筒、お盆など、実用的なものが作られていました。
ただ、昔は表面を漆などで塗り固め、編み目が目立たないようになっています。
では、工藤さんの作品は、というと、写真でわかるとおり、漆は使っていません。
(左が漆を塗ったもの、右は工藤さんの作品)
すると強度が・・・と思うかもしれませんが、そこはご心配なく。
作品表面には柿渋が塗られていて、これが結構しっかりしているんですよ。
柿渋には、防虫、殺菌効果もあり、塗り重ねる回数で色合いも変化できるので、
まさに一石二鳥ということでしょうか。
実際に作品を手に持ってみると、その軽さと固さにビックリ! です。
工藤さんは、こより細工を多くの人たちに広めるため、
5年ほど前に「こよりの会」を立ち上げました。
毎週水曜日につがる市の公民館で活動し、会員の方にこより細工を教えています。
上の写真のバックは、工藤さんの指導を受けて会員の方が作ったものですが、
どうですか、この出来映え! 取っ手の部分まで何と細かく作られていることか・・・。
見れば見るほどその細やかさに目を奪われてしまいました。
これが紙・・・、もう、ただただビックリです。
2月からは、弘前市のカルチャーセンター(イトーヨーカドー内)で講座を開催するなど、
活動の場を広げている元気なスーパーおばあちゃんの工藤せこさん。
かつて、県の民謡手踊大会でチャンピオンになったこともあり、
あの高橋竹山の演奏で踊ったこともあるそうな・・・。
(娘の敦子さんとともに)
昨年8月に自宅の米蔵を利用してオープンした「あとりえ わらべ」には、
工藤さんの作品が数多く展示、販売されています。
直接作品にふれ、その素晴らしさを直接感じてみてください。
あとりえ内には、ビックリするような巨大作品もありますよ。
by ハッピーハンド
がんばろう東北! 青森から東北の元気届けます。
<あとりえ わらべ>
つがる市柏広須野宮88
0173-26-6863
9:00~18:00
不定休
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