青森県では、さくらの花が散り終えると、りんごの花が咲き始めます。
今年も、いよいよりんごの花が咲き始め、今満開を迎えようとしています。
津軽地方のりんご地帯は、かわいらしいりんごの花に覆われます。
山頂に雪をかぶった岩木山をバックにすると、まさに津軽の春の風物詩です。
津軽三味線の音色が聞こえてきそうです。
この時期のりんご園では、たくさんのハチがりんごの花粉を求めて飛び交っています。
「ハチは怖いよ!」と思われた皆さん、ご安心ください。
上の写真で、右上のりんごの花にハチがとまっているのがわかりますか?
このハチは、「マメコバチ」といって、「ミツバチ」より小さくて針をもっておらず、りんごの受粉のお手伝いをしてもらうために普及された安全で働き者のハチなのです。
一昔前は、りんごの花が咲き始めたら、りんご農家の家族はもちろん親戚の人たちも総出で、りんごが結実するように、りんごの花ひとつひとつに人工授粉をしたものです。
しかし、今では、訪花昆虫である小さなマメコバチがもたらす大きな受粉能力によって、りんご栽培の省力化が図られました。
そんな、マメコバチを、りんご生産者の皆さんは、それぞれの園地に「マメコバチ専用巣箱」をつくってあげて大切に飼育・管理し、増殖をしているのです!
ちょっと巣をのぞいてみましょう。
実は、マメコバチたちは、葦でつくられた巣筒の中に卵を産みつけ、そこに幼虫の餌となるりんごの花粉(花粉団子)を運んで、営巣活動をしていたのです。
りんご生産者とマメコバチは共存していたのですね。
さて、弘前市のりんご公園では、5月6日から「弘前りんご花まつり」が開催されています。
期間中は、盛りだくさんなイベントや、いろんな種類のりんごの花を観賞できますので、ぜひ、足を運んでみてください。
そんな中、ちょっと視点をかえて、りんごの花から花へと飛び交い、花粉を集める働き者のマメコバチがを見つけてあげてください。
きっと、かわいらしく思っていただけることでしょう。
でも、よく考えると、営巣活動をする働き者のマメコバチは、交尾を終えた雌蜂だけということになります。
では、雄蜂たちはどうしているのでしょうか?
春一番、自らの役目を終えれば天に召されるそうです・・・(涙)
今年も、ますます美味しいりんごができますように!
by ひっさ
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