五所川原市金木町にある太宰治疎開の家「旧津島家新座敷」を訪ねました。
「旧津島家新座敷」は、太宰の長兄文治氏の結婚を機に生家である斜陽館の蔵に隣接して建てられた離れで通称「新座敷」とよばれています。
太宰治は、昭和20年、東京から金木に疎開し、ここに住み、読書や執筆に没頭しました。疎開中の思索や出来事からも数々の作品が生まれています。
戦後、地主制度が崩壊したあと、文治氏は、新座敷を斜陽館の約90m東側に移設して居住していました。
現在も「新座敷」はその場所にあります。
新座敷は、平成19年1月に公開されました。
新座敷の一角に、「街並みはがき(起こし絵はがき)」を見つけました。
大きさや見た目は普通のはがきなのですが、よく見ると切れ込みや折り返し部分がたくさんあります。
組み立てていくと立体的な建物などが出来上がるというおもしろいはがきです。
このはがきを受け取った方は、簡単に組み立てられてちょっとした部屋のインテリアにもなります。
瓦葺き屋根、レトロな駅舎、赤いポストと赤い公衆電話などどの情景も懐かしく心がホッと和む「起こし絵はがき」。種類も豊富で、どれも趣がありますよ。
現在、太宰治の生家「斜陽館」をデザインしたオリジナルの「起こし絵はがき」を制作中とのことで、試作品を特別に見せていただきました。
ラフデザインとはいうものの、赤い大屋根とレンガ塀がシンボルの斜陽館は2階の窓が開けられ、外ではバスを待つ太宰治らしき人物が。また、玄関には津島家の鶴丸家紋ののれんが下げられるなど、その精巧さには驚きです。
斜陽館の「起こし絵はがき」は、太宰治生誕記念日の6月19日(火)から「斜陽館」と「新座敷」にて販売する予定です。
さて、太宰治生誕記念日の6月19日(火)に、新座敷で太宰治朗読コンサート~太宰と祈り~が開催されます。
朗読コンサートは4回目を迎え、今年は、原きよさんの朗読と、カナダの教会歌手ジェシカさんのピアノ弾き語りによるミニコンサートのコラボです。
コンサート会場は、小説「故郷」で、太宰治が母の傍を離れて涙をこらえたとされる洋室。
戦後は、ここで文学青年たちと交流し、新作を朗読したり、サンルームに畳を出して執筆することもあったそうです。
太宰治への思いを馳せながら、ゆっくりとした時間を堪能できることでしょう。
<太宰治朗読コンサート>
◆日 時 平成24年6月19日(火)16:00~17:30(開場15:30)
◆場 所 太宰治疎開の家「旧津島家新座敷」
◆参加費 1000円
◆定 員 30名
◆予約・問合せ TEL 0173-52-3063
私もこの機会に、福岡の友人に斜陽館の「起こし絵はがき」で「元気ですか。」の手紙を送ってみたいと思います。
byひっさ
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