十和田湖や奥入瀬、津軽半島に感激し、すっかり青森ファンとなってくれた友人が、再び訪ねてくれました。今回の目的は「恐山」。穏やかな陸奥湾を眺め、 “いつも美味しくいただいています” ほたて観音に手を合わせ! レッツゴー下北半島。
おっと、夏のお出かけにソフトクリームはかかせませんね。
この時期の恐山街道はひときわ綺麗です。むつ市には「大祭に訪れる方々が気持ち良く安全に通れますように」と願い、自主的にお手入れして下さっている方がいます。道ばたに花を植えたり、一ケ月もかけ丁塚の周りに生える草を刈ったり。お目にかかる機会がないので、この場を借りてひと言お礼を。
「毎年、綺麗にしてくれてありがとうございます」
青森県、とりわけ下北地方では人は亡くなるとその霊魂はお山、すなわち恐山に行くと信じられています。年に一度はお参りし、大切にされてきたという恐山。車がなかった時代はどれだけ時間がかかったのでしょうか、遠い昔に思いを馳せながら14キロの道のりを進んで行きます。
途中、天然のヒバ林で覆われた冷水(ひやみず)で手を洗い、のどを潤します。
三途の川にかかる太鼓橋。ここから先は、あの世?
悪人にはこの橋が針のように細く見え、怖くて渡ることが出来ないそうです。
「恐山ってちっとも怖くないね」。と言いながらグングン越えて行った友人。彼女は悪人ではなさそうです! お天気のおかげもあるのか、晴れ晴れとした気持ちで境内へ。
7月20日から始まる夏の大祭には、県内各地からイタコが集まることでも有名です。大祭が近いからでしょうか、この日もいらっしゃったので口寄せ体験をしてみることに。
順番を待っていた時、隣のご婦人が「震災の津波で流されてしまった主人と話したくてね、宮城から来たのよ」。と話しかけて下さいました。私は言葉に詰まりただただ、ご婦人のお話にうなずくことしか出来ませんでした。
イタコの口を借りて伝えられた亡き人の言葉に耳を傾け、胸をあつく打たれた私たち。ちなみに友人はおばあさん、私はおじさんの口寄せをしてもらったのですが、友人のおばあさんの時だけ右足をさすっていたのが不思議でした。あとから友人に尋ねたところ、おばあさんは生前、右足を痛がりいつも引きずって歩いていたそうです。
驚き!!!
日本三大霊山・日本三大霊場・日本三大霊地すべてにあげられるのは恐山だけ。そこに立つと「よく会いに来てくれたね、ありがとう。いつも見守っているから、安心して自分の人生思う存分生きなさい」。先祖たちの声が聞こえてくるような気がして、嬉しくなります。誰かひとり欠けていても自分という人間は生まれていなかったかもしれない、そう思うと与えられた命の尊さに自然と感謝の気持ちも湧いてきます。これは心のデトックス?例えようのない「スッキリ」気分も味わえた私たち、恐山が大好きになりました。 by tom5
霊場恐山:青森県むつ市田名部字宇曽利山3-2
開山期間:毎年5月1日~10月末日
開門時間:6時~18時(大祭典・秋詣り期間は別設)
大祭典・7月20日~24日 秋詣り・10月の体育の日が最終日となる3日間(土・日・月)
入山料(個人)500円 (小・中学生)200円 (団体:30名以上)400円
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