お盆や夏季休暇などで多くの方々がふるさとや実家に帰省されたことと思います。
私も里帰りし、先祖の墓参りや中学時代の同期会で旧友に再会するなどふるさとを満喫してきました。
私にとって懐かしいふるさとの味の一つで、帰省するたびに無性に食べたくなる「べごもち」をご紹介します。
「べごもち」は、下北半島に伝わる郷土料理で、北前船によってもたらされた貴重な砂糖を使い、伝統的な和菓子の製法を持ち込んで作られた北前菓子の一つといわれています。特に、5月の節句や季節行事などで作られ、大間町など一部地域では古くは鯨餅とも呼ばれていたそうです。
もち米粉、うるち米粉、砂糖を練り合わせて作った何本もの棒状の生地を組み合わせて作り、かまぼこ状の形に出来上がったもちを切ると、金太郎飴のように、切り口から次々と鮮やかで繊細な模様が現れるのが特徴です。
ところで、「べご」というのは、東北・北海道の方言で「牛」のことを指しますが、「べごもち」の名前の由来としては、下北式のべこもちをカマボコ型に細長く成形するときに、べこの背のようにこんもりまとめていくのが牛のふせた姿に見えることから名づけられたという説や子供たちが牛のように元気に育ってほしいとの願いを込めたという説などがあります。
また、「べごもち」の魅力は、美しい模様にあります。下北地方に伝わるべこもちは、昔は「たばね」や「渦巻き」模様でしたが、1970年代大間町の生活改善グループが、花柄などの美しい模様を考案し、その後下北全体に普及しています。
カラフルな現代版はもちろんきれいですが、伝統模様の「たばね」は「めでたさ」を表し、デザイン的にも重厚感や趣があります。
最近は、動物の図柄なども作られ、子供たちにも好評です。
モー&ブー&パンダは、道の駅よこはま菜の花プラザの人気商品です。
「べごもち」は、下北半島の各地域で伝わる中で工夫がなされ、独自の発展を遂げた下北半島ならではの食文化であり、その美しさは「食のアート」!
そして、蒸し器で蒸したほかほかのべごもちは、砂糖の甘さがほのかにし、下北の人間にとっては、小さい頃に祖母や母親が作ってくれた懐かしい家庭の味でもあります。
下北を訪れた際には、是非味わってみてください。おみやげとしてもお薦めです。
動画もご覧ください。
http://www.aptinet.jp/marugoto/shousai.html?id=141
byあぷよ
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