青森市古川のいろは通りに、新鮮さを売りにする乾物屋さんがあります。
その名も「おたべなさいのあきやま商店」。ちょっとユニークな店名です。
でも、「新鮮な乾物???」って、ちょっと不思議な感じをもたれる方も多いことでしょう。
私も、乾物は「乾いていて日持ちはするけれど、固くてちょっと生臭い」というイメージでした。
ところが、あきやま商店の乾物を食べてから、これまでの私の乾物に対する概念は見事に覆されました。
あきやま商店の店主秋山義隆さんは、「乾物は鮮度が命です!私は鮮魚を扱うつもりで乾物を扱っています。」と商品への自信を感じさせます。
秋山さんがおっしゃる「本当に美味しい乾物の基本」は次のとおりです。
1.乾いていない 2.固くない 3.臭くない 4.香りがある 5.噛めば噛むほど後味が良い
そのためにも、鮮度を保つために様々な工夫をこらしています。
全国からクール便で仕入れた選りすぐりの乾物は、店内の冷凍庫でしっかり保管し鮮度を保ちます。
そして、店頭で2~3日程度で売り切れる分だけを冷凍庫から出し、店頭で袋詰めをしてお店の棚に陳列します。
店内には約100種類の商品がありますが、各種2~3袋程度しか陳列しません。商品が売り切れたら、また冷凍庫から出し、袋詰めをして新鮮な商品を並べるといった作業を常に繰り返しています。よって、店内を見渡すと、飾りっ気もボリューム感もなくとてもシンプルな陳列になっていますが、これは鮮度へのこだわり故なのです。
また、あきやま商店では、商品を買う前に必ず試食をさせてくれます。というより半強制的に試食をさせられます。(笑)
秋山さんは口癖のように、「買う前に必ず食べてみて。買うか買わないかはそれから考える。はい勉強!」といって試食を手渡してくれます。そして次々と試食を勧めてくれます。「はい、勉強!はい、勉強!・・・だんだん乾物の本当の美味しさがわかってきたでしょう。」と微笑みます。
秋山さんは、乾物の試食を通じてお客様と真剣に向き合い、乾物の本当の美味しさや選び方について教えてくれます。
私が思うところ、秋山さんは、全国的にも希な「乾物の伝道師」といったところでしょう。
今から36年前、秋山さんが乾物屋さんを始めた当初、お店の前をただ通り過ぎるお客様たちを悔しい思いで眺めていたそうです。でも、何とかそのお客様たちに乾物の美味しさを伝えたい。そのためにもあきやま商店に振り向かせるにはどうしたら良いのか・・・と悩んだ末、歌をうたおうと決心。そこで秋山義隆さんが考えた自作の歌があります。
「♪おたべなさい~ みんな私のモノだけど~ 食べればあなたのモノになる~ あきやまちゃんのおつまみは、どうしてこんなにおいしんだ~ ヤッホー!ヤッホー! お味みて~ 食べてみないとわからない~ それからいろいろ考えよう~ まかせなさい~♪・・・・・」
店頭で「おたべなさい~」と言われるままに試食をしたお客様たちは、あきやま商店の乾物の味に魅せられました。乾物のセレクトショップ「おたべなさいのあきやま商店」として存在感を示しはじめた時期だったと思います。今では、当時からのお客様をはじめ多くのリピーターの方々に支えられています。
現在は、いろは通りも人通りが少なくなったことから、店主の義隆さんは、「道の駅 奥入瀬ろまんパーク」や「道の駅 なみおかアップルヒル」に出張販売に出ているため、青森市古川のいろは通りの店舗で本人が販売をしているのは1ヶ月に7日程度とのこと。会えればラッキーです!
しかし、お父さんがいなくとも、いろは通りの店舗は、あきやま商店の二代目 秋山亮克さんがしっかり守っています。
亮克さんも父親譲りの「おたべなさい」の精神で、商品についてしっかり説明してくれてたくさん試食もさせてくれます。やさしくてとっても頼りがいがありますよ!
皆さん、機会がありましたら是非一度訪ねてみてください。乾物の概念が本当に変わりますから!
明日は、鮭とばを買いに行こうかなぁ。
by ひっさ
<おたべなさいのあきやま商店>
〒030-0862
青森市古川1丁目15-16
TEL・FAX 017-773-2337
掲載されている内容は取材当時の情報です。メニュー、料金、営業日など変更になっている可能性がありますので、最新の情報は店舗等に直接お問合せください。