先日、むつ市へ出かけた際、県外等から訪れた出張ビジネスマンの気持ちを体感してみようと、夜のガイドマップを片手に市内飲食店街を散策してみました。
南部藩時代に代官所が置かれた田名部(たなぶ)は、下北半島の中心地として街の歴史を刻み、下北半島の鎮守田名部神社があります。
「街の規模や人口に比べて夜の飲食店が多い」という市外から訪れた方の驚きの声を良く耳にしますが、特に神社周辺には、親不孝通りをはじめ、レンガ通り、天きん通り、桐半通りなどが網の目のように広がり、おかみが一人で切り盛りする小料理屋から、居酒屋、スナック、バー、ラーメン屋、焼き鳥屋、寿司屋などが密集し、下北半島随一の歓楽街と言われるだけあって本当にたくさんのお店があります。
路地裏探検を楽しみながら、知っている店は敢えて素通りし、赤ちょうちんやネオンの中を彷徨い歩き、たどり着いたのが神社横丁でした。
田名部神社の西側に位置し、もともとは戦後の闇市があった場所で、昭和の時代は、数軒の魚屋を中心に、餅屋、古本屋、駄菓子屋、食堂などが軒を連ねていたことから、雰囲気も十分です。
まずは、漁師の店と評判の「居酒屋三宝」へ。
店名は所有する漁船「三宝丸」にちなんで名付けたそうで、下北の地産地消店「緑提灯」の第一号店でもあります。
刺身も焼き魚もその日の漁次第で日替わりメニューが楽しめるとは、さすが漁師の店です。
この日はカワハギがお薦めということで、お通し(真イカ山椒和え)のほか、カワハギの刺身・肝煮・飯寿司とカワハギメニューを注文。肝煮はいかにも漁師っぽくてかなりのうまさです。
このほか、季節限定メニューも多彩で、鮟鱇をはじめ、たこの内臓を煮込んだ「どうぐ汁」(11~6月)や「イカのゲソ(足)と腑の貝焼き」(7~10月)、「まつも鍋」(3~4月)などがあります。
「自分たちの船で獲った新鮮でおいしい魚を安く食べてもらいたい。こんな食べ方もあるということを知って欲しい。」と語るおかみさんの素朴で気さくな人柄も魅力です。
次に、神社横丁のもう一本の小路へ向かい、二件目は、「居酒屋ほそ川」へ。
昭和40年代後半から「ほそ川食堂」として営業し、現在のおかみは二代目とのこと。
元プロ野球選手の稲尾和久氏と石井浩郎氏も数度訪れたことがあるらしく、店内にはサイン色紙と記念写真が飾られています。和装のおかみがにこやかに語りかける仕草を見ると、往年の大スター鉄腕稲尾が度々訪れた理由も少しは理解できる気がします。
こちらのお店は、料金800円で、自家製の野菜や山の幸など、自然の食材を使ったおかみ手造りの下北の家庭料理8~10品程度が次々と出てくるシステムで、飲み物代は別途。日本酒は下北の地酒「関の井」などです。
カウンター席の居心地が良く、つい時間を忘れてしまいます。
二軒はしごで、5000円ちょっとの晩酌でしたが、勢いがつくと二軒で終わらないのが世の常であり、田名部の夜も更けて候・・・・・・。
いよいよ忘(望)年会シーズンですね
by あぷよ
【居酒屋三宝】
・住 所 むつ市田名部町1-11(神社横丁)
・電 話 0175-22-1018
・営業時間 17:00~23:00
・定 休 日 不定休(月1回程度)
【居酒屋ほそ川】
・住 所 むつ市田名部町1-7(神社横丁)
・電 話 0175-22-4881
・営業時間 19:00~1:30
・定 休 日 不定休(月1回程度)
掲載されている内容は取材当時の情報です。メニュー、料金、営業日など変更になっている可能性がありますので、最新の情報は店舗等に直接お問合せください。