奈良美智「君や 僕に ちょっと似ている」の
ナイトミュージアムに行ってきました。
夜の白い雪原に映える「県美」は格別です。
エントランスに導く雪の小径は、
人工的な演出にはない情感を生み出しています。
そうはいっても、除雪作業お疲れ様です。
雪の中では「あおもり犬」も日々異なる姿を見せています。
1960年代、70年代のロックファンの私が、
奈良美智さんに惹かれる理由の一つは、
作品やタイトルから音楽、
特にロックの、エッジの効いたメッセージが感じられることです。
展示作品の「悲しみをぶっとばせ」は、
邦題だけで見ると、ビートルズの曲名から
ストレートに名付けたように思うかもしれませんが、
英題は‘Kill the Misery!’。ビートルズの曲の英題とは違います。
また、レコードジャケットサイズのダンボールに描かれた作品群も
ロックファンを嬉しくさせます。
その中で、今回、最も興味を抱いたのは、
奈良さんのスタジオのインスタレーションで流れている‘青森Mix’。
いわば奈良さんセレクトのコンピレーション・アルバム。
心に響く全11曲は次のとおりです。
<青森Mix>
1 Reason to believe / Karen Dalton
2 Stage Door Johnnies / Claire Hamill
3 Autumn to May / Andy Roberts
4 Ribbon Lakes / Alessi’s Ark
5 Southbound Train / Crosby & Nash
6 Grannie Grannie / Colin Hare
7 One little song / Gillian Welch
8 American Dreamer / Gene Clark
9 Sometimes I could believe in you / Natural Accoustic Band
10 Sweet Sir Gallahad / Folkal Point
11 Upon Reflection / Heron
以上の曲の多くは、60年代後半から70年代前半のブリティッシュ・フォーク。
今風に言えば、アシッドなテイストのフォークです。
奈良さんは、雑誌のインタビューで、震災後は特にアコースティックな音楽を
また聴くようになった、と述べています。
ロックアーティストから吟遊詩人へと
表現のスタイルが変わりつつあるように見える奈良さんが
10代のときに、ブリティッシュ・ロック全盛の中で、
こうした音楽にどんなスタンスで向き合っていたのか、
とても気になります。
11日(金)までは毎日21時まで開館です。
奈良美智展は、14日(月・祝)までです。Don’’t Miss It!
By 頭脳パン
NARA Yoshitomo:a bit like you and me…
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