日本酒。ぽん酒。sake。
皆さんはどのようなイメージをお持ちでしょうか。
お父さんのお酒?きつい?飲みにくい?二日酔いが心配?
それは昔のイメージで、今はさらりと飲みやすいものから、しっかり辛いもの、フルーツのような香りのものまで、実に様々です。
そして青森県には多くの蔵元があり、それぞれが特徴のあるお酒を造っています。
県内全ての酒蔵をまわり、酒造りの現場で働く方々と一緒に、日本酒をしっかり味わってもらえるようにと日々奮闘している人が平内町小湊にいます。
1906年創業の「つじむら酒店」4代目店主、辻村大さんです。
店内に入るとまず、お酒を保管する冷蔵庫がズラリと並んでいるのが目にとまります。
常温で飲んだ方がおいしいお酒であっても、特に繊細なお酒は光や温度に敏感なので、
お客様の手に渡るまでは最適な状態で管理したいと思い、冷蔵庫で保管しているそうです。
日本酒の品揃えの豊富さに驚きますが、県内外から自ら選んだお酒だけを扱っているということです。今日の夕食のメニューをお話しすると、料理に合う日本酒をチョイスしてくれます。
また、辻村さんは日本酒を楽しむ様々なイベントの仕掛け人でもあります。
日本酒に馴染みのない若い方に日本酒を楽しんでいただくために、
音楽と日本酒のコラボイベント「あおもり☆ぽん酒deナイト」も企画されています。
ここには、県内16蔵の蔵元もスタッフとして参加するので、日本酒好きの方も楽しめそうです。
「あおもり☆ぽん酒deナイト」では、日本酒カクテルも提供されます。
日本酒カクテルといってもあまり馴染みがありませんが、ライムと炭酸水で割った「さむらいロック」は一般的だそうですし、フルーツのような香りをもつ日本酒も続々出てきています。
例えば、カプロン酸を多く含むとりんごの香りがし、酢酸イソアミルを多く含むとバナナのような香りになるそうです。香り成分は酵母の種類によって生成されるということですが、フルーツジュースとの相性も良さそうです。そして、日本酒同士をミックスさせたカクテルでは、あっさり系の田酒と辛口系のじょっぱりなど、組み合わせによって表現は無限大です。
多くの方に日本酒の魅力を知っていただき、楽しんでいただきたい、そんな辻村大さんの想いを伺いました。
つじむら酒店は、現在の店主が4代目。
先代が早くに亡くなったため、酒店経営のノウハウを聞けないまま店を継ぎました。
最初は他店との差別化のために日本酒に注目したのですが、インターネットで知った東京での会合に出席して、同年代の若者で酒造りに関わる人達が沢山いることを知って、この業界で続けられると実感しました。そして、これをきっかけに県外の蔵元とのおつきあいが始まり、県内蔵元の個性を意識できるようになって、蔵元の方達が情熱とこだわりをもって酒造りをしていることを知り、今では日本酒の魅力にどっぷりはまってしまいました。
辻村さんは、今までのお客様を満足させるためには、以前よりもレベルを上げ、工夫を続けなければならないと常に考えており、店内の冷蔵庫を大きくしたのも品質管理の工夫と言います。
自らを「青森の地酒バカ!」と称する店主がいるつじむら酒店。
新しい日本酒の楽しみ方をのぞいてみませんか。
by Hana
◆つじむら酒店
平内町小湊73-2
電話 017-755-2024
掲載されている内容は取材当時の情報です。メニュー、料金、営業日など変更になっている可能性がありますので、最新の情報は店舗等に直接お問合せください。