弘前市内には、セレクトショップのオーナーと地元の伝統的な工芸品の作家がコラボすることで誕生したオンリーワンの作品が結構あります。
その一つが、セレクトショップchicori(チコリ)の下川原(したかわら)焼人形。
chicoriは、中土手町の通称「ホームワークス通り」に位置し、メンズ、レディースのシンプルで世代を問わない洋服や小物、津軽地方の工芸品などを展示・販売しています。(一部、非売品もあり)
店内を見ているうちに、奥の棚にたくさん展示されている色鮮やかで可愛らしい下川原焼人形が目に留まりました。白、紫、赤、緑、黄色の鮮烈な色使いからは、「ねぶた」や「ねぷた」とも共通する津軽独特の美の魅力を感じます。
下川原焼は、津軽藩士の高谷金蔵が下川原(現在の桔梗野)に窯を築いたのが始まりです。
その当時、一部の上流階級の子供たちくらいしか玩具を持つことができなかったことを憂いだ津軽藩の九代藩主が、冬の内職として素焼きの土人形を作るよう命じたことで誕生した下川原人形は、多くの行商の手によって庶民に浸透していきます。その後、時代の変化とともに本焼きは廃業しましたが、今でも2件の窯元が下川原焼人形づくりの伝統を守り続けています。
たまたま窯元の1人である阿保正志さんの作品を見かけ、すっかり気に入ったchicoriの葛西オーナーと玉田マネージャーが工房を訪ね、何度か足を運んでいるうちに、お店での取扱いがスタートしたそうです。
現在は、chicoriオリジナル商品も販売されています。
最近、販売がスタートしたばかりのウサギの下川原焼人形は、玉田マネージャーがずっと大切にしてきたぬいぐるみをモチーフに、阿保さん、阿葛西オーナー、玉田マネージャーが試行錯誤の末、完成した作品です。(ちなみにお店の名前にもなっているchicoriは、このウサギの名前です。)
とってもキュートで見ているとどこか癒されるので、鳩笛とセットで購入し、玄関に飾っています。
昔から作られてきた鳩笛と比べ、阿保さんが新たに考えた「ゆらゆら鳩笛」は質感が現代風です。
伝統を守りながら、現代のライフスタイルに合わせた工芸品や民芸品、とても素敵だと思います。
この他にも、昨年の桜祭りに合わせて作った鳩のペンダント(ブログトップの写真)や、以前まるごとブログでも紹介したEasy Livingの葛西さんのベビートールなど、魅力的な作品がありますので、土手町散策のスポットの一つとして、是非、立ち寄ってみてはいかがですか?
byさっちゃん
chicori(チコリ)
弘前市坂本町2
TEL 0172-32-3020
ホームページ http://jakeandwess.com
掲載されている内容は取材当時の情報です。メニュー、料金、営業日など変更になっている可能性がありますので、最新の情報は店舗等に直接お問合せください。