東京の夏・・・。青森の冬が大好きな私にとって、早く過ぎ去ってほしい季節です。
間もなく青森では夏祭りの季節・・・、気温も暑く、心も熱い! という時期がやってきますね。
さて、今週末から、日本三大霊場の恐山で大祭が行われます。
恐山といえば、いつも「口寄せ」で有名なイタコさんがいる、と誤解されがちですが、
イタコさんが恐山にいるのは、今はこの大祭の時くらいでしょうか。
そのイタコさんですが、昔は多くのイタコさんがいましたが、
現在は、イタコさん自身が「絶滅危惧種」という表現を用いるくらい、
数が減っているそうです。
この「絶滅危惧種」という表現を用いたイタコさん、
「最後のイタコ」と呼ばれる松田広子さんです。
(撮影 佐々木信行さん)
松田さんは、ずっと師弟関係で受け継がれてきた南部八戸イタコの6世代目に当たり、
年齢的に最も若いこともあって「最後のイタコ」と呼ばれています。
松田さんがイタコになろうとしたのは、小学生のころ。
小さいころはあまり身体が丈夫でなく、ちょくちょくイタコの方に相談していたこともあり、
イタコという存在が大変身近なものだったようです。
高校生のころにはイタコになるための修行を始め、
19歳で師匠から一人前のイタコとして認めてもらった松田さん。
そんな松田さんの、これまでの半生とイタコの世界を綴った本が出版されます。
タイトルはその名もズバリ、「最後のイタコ」です。
「最後のイタコ」というタイトル・・・。これは、松田さん自身があえてつけたものです。
確かに現在は「最後のイタコ」かも知れませんが、
この本でイタコのことをもっとよく知ってもらい、
自分自身が最後とならないよう努めたい、という強い思いを表しているのです。
この本では、松田さんがイタコになるまでの話や、
口寄せやオシラさま遊ばせなどのイタコの技に関することはもちろん、
イタコという職業では、クレジットカードを作れないことや、
宗教法人として登録できる(!)ことなど、
思わず「へ~」と口ずさんでしまうイタコの知られざる世界も語られています。
間もなく書店に並ぶ「最後のイタコ」、ぜひ手にとってみてください。
とっても読みやすい内容だったので、私は時間を忘れて読みふけってしまいました。
by 夏バテ寸前のハッピーハンド
<最後のイタコ>
7月22日 扶桑社から発売です。
定価 1,575円(税込み)
インターネットでも購入できます。
掲載されている内容は取材当時の情報です。メニュー、料金、営業日など変更になっている可能性がありますので、最新の情報は店舗等に直接お問合せください。