いよいよ今日から待ちに待った青森ねぶた祭が始まります!
青森ねぶた祭といえば、「大型ねぶた」「囃子方」「ハネト」がすぐに思い浮かびますが、
顔を白く塗り、仮装をして、ひときわ異色な格好をして観客の笑いを誘う
「バケト」の存在も忘れてはいけません!
まず、バケトを知らない人のために、バケトの説明を・・・。
バケトとは、女装や男装、テレビやアニメ、昔話のキャラクター、歴史上の人物などに扮して、
奇抜で派手な化粧と滑稽な衣装に身を包み、まるでピエロのように沿道に愛嬌を振り撒き観客を喜ばせています。
時にはハネトのように跳ね、時には踊り、絶えずパフォーマンスを続けてねぶた祭を盛り上げ、露払いのような存在です。
戦前はハネトよりバケトの方が多かったとも言われ、舌切り雀や弁慶など誰が見てもそのキャラクターだとわかるものが多かったそうです。
また、最も多かったのが、男性が女性の長襦袢を着て女装したバケトで、顔は隠していたがすね毛が出ていたので男性だとわかったといいます。
このことから、そもそもハネトは女性の仮装をするバケトの一種であり、それが同じ衣装に統一化されたという見方もされているそうです。
戦後のバケトは、浴衣に鈴を付けて、汚い化粧をして、まるで浮浪者のような格好をしていた人が多かったそうですが、当時はそういう格好をして酔っ払ったバケトがどこからともなく表れて来たといいます。
ねぶたに関する資料を見てみると、古くは明治時代に撮られたねぶたの写真に、仮装をした人が写っているのが確認されています(バケトと呼ばれていたかどうかは不明ですが)。
最近のバケトについて、青森ねぶた祭バゲト保存会の三上事務局長に聞いてみました。
「バケトの格好の基本は男性は女装をする。」
「化粧は白塗りが基本。」
「白塗りをした顔にまゆげや模様を付けるが、いかに滑稽な顔に仕上げるかがポイント。」
「下品なほどよく受けるし、見るからに男とわかったほうが気持ちは悪いが笑いを誘う。」
「ばれないようにすることも重要。」
また、バケトの流儀について、
「格好は自由だが、一捻りも二捻りもして『とにかく崩すこと』が大事。沿道のお客さんを楽しませて喜ばせるのが役目だからね。」と話します。
「一度やってばれなければバケトは快感に変わってやめられなくなる。」とも話していました。
青森ねぶた祭バゲト保存会では毎年約30人がねぶた祭に参加しているそうですが、ほとんどのバケトは「毎日バケ方を変えている」そうです。
バケるテーマは、男性は胸やお尻を強調した女装、女性は侍や貴族のような男装、大河ドラマや時代劇、歴史的人物、ブレイクしているお笑いタレント、アニメのキャラクター、海外人気映画の俳優やキャラクターなど様々。
その時に話題になっているものが多いそうです。
また、それぞれ何にバケるかは本番まで明かさないため、いざバケてみるとキャラクターが重なることも多いそうです。
以前、セーラームーンが流行っていたときはセーラームーンだらけだったこともあったそうで、去年はスギちゃんが重なっていたとか。ということは今年はキンタロー。?
ねぶた祭の歴史を見てもバケトの存在は古くから確認されています。
バケトはねぶたとねぶたの間に居て、その間を持たせるために沿道のお客さんとコミュニケーションをとり、喜ばせて盛り上げるのが役目。
ねぶた祭には不可欠な存在ですね。
今年はどんなバケトが登場するか楽しみです!
※写真提供:青森ねぶた祭バゲト保存会
(by きむにぃ)
<青森ねぶた祭バゲト保存会(三上事務局長)>
住所:青森市浅虫山下167-3
電話:090-2276-8765
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