優雅で風情のある奥入瀬渓流の「玉簾(たまだれ)の滝」。
実はここに見える縞々の地層は76万年前以前の地層なんだそうです。
三内丸山遺跡が約5500年前~4000年前のものだからそのずっとずっと前。
地球史年表を見ると、ネアンデルタール人出現が約23万年前。
マンモスの誕生が約40万年前。北京原人が約50万年前だから、それよりもはるか昔の地層なんだと思うとなんだかワクワクしてきます。
みなさんもご存知のとおり十和田湖は十和田火山の噴火で形成された二重カルデラ湖ですが、遊覧船に乗るとその火山の断面を簡単に観察できます。
遊覧船で十和田湖最深部(327m)の中湖(なかのうみ)まで来ると御倉半島が間近に見られます。
そしてこの中湖こそが6000~1000年前にマグマ溜まりが崩壊・陥没して形成されたカルデラで、写真で見る御倉半島はまさに火山の断面なんです。
さらに御倉半島の高い部分は実は7500年前にできた溶岩ドームなんですよ。
おー!まさにジオパーク(大地の公園)!
観光地になる前の十和田湖は信仰の場所でした。
そしてその信仰の中心は「神宿る岩」と言われた御倉半島だったそうです。
十和田湖までの険しい山道を歩き、急峻な崖をよじ登ってまで当時の人々は十和田湖を訪れ、最も御倉半島に近い占い場で神に対面し、あらゆることを祈願したそうです。
豊かで美しい自然のイメージとは違う一面ですね。
数千年の間隔で噴火を繰り返している十和田火山。
現在も活動中であると専門家の方は言います。
一度噴火すれば辺りは破局的環境になります。
そしてまた長い年月をかけて美しい姿を創り出す。
そう考えると今私たちが見ているこの美しい姿は永遠に続くものではないんですね。
美しい姿を見られる今この「時」に感謝をしつつ、破局と再生を繰り返してきた十和田湖・奥入瀬渓流を、悠久のロマンを感じながら観て歩くのも新しい楽しみ方のひとつですね。
by きむにぃ
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