津軽三味線を世界に知らしめた高橋竹山の生まれ故郷、平内町。
青森たび歩きの達人やこのブログでも度々ご紹介してきた小湊の町ですが、
今回は吹雪の中、知人を誘って町歩きをしてきました。
高橋竹山の生涯をモチーフにした、北島三郎さんの歌「風雪流れ旅」のように
吹雪が吹き荒れる中、青い森鉄道小湊駅から元気に徒歩でスタートします。
最初の目的地は『肉の町田』。手羽先で有名なお肉やさんです。
お店の方から許可をいただいて、手羽先をパクリ。
しっかりした味付けで、旅がスタートしたばかりなのにビールが欲しくなります。
クリスマスが近いこともあり、すごい勢いで手羽先や照焼きが売れています。
次に向かったのは、平内町歴史民俗資料館。高橋竹山ゆかりの品などが展示されています。
今年の青森ねぶた祭りに出ていた、竹山ねぶたの面もここにいました。
町の方のお話をうかがいながら見学していたら、この写真、竹山氏と一緒にいるのは、「生唱・生津軽三味線の盆踊り」で長時間太鼓をたたき続けていた対馬豊吉さんではありませんか。確かに、竹山氏の愛弟子だったのですね。
外の吹雪が嘘のように温かな室内でほっこりしたので、竹山氏のお墓があるという町内のお寺さんへ向かいます。途中、小湊は黒石藩の代官所が置かれていたという案内板を発見。
お寺では、積雪のため竹山氏のお墓には立ち入れませんでしたが、吹雪が吹き荒れる中を門付けに歩き回るのは、どれほど厳しいものだったのか、と一同神妙な気持ちで手を合わせました。
小湊の裏通りを歩き、次に向かったのは「加藤こうじ店」。
昔は地域内に必ずあったという麹屋さんですが、現在は青森市や平内町を含む東津軽郡に数件というほど減ってしまったそうです。味噌の作り方は、地域毎、家庭毎に特徴があり、昔はそれぞれの家庭で専用の味噌樽を持っていたそうですが、現在は樽を置く場所もない、ということでここで預かっているものもあるそうです。
加藤こうじ店は、昔ながらの方法で、昔ながらの木製の樽で麹味噌を作っています。
熟成された麹味噌は、塩分は高めですが味に奥行きがあり、きゅうりにつけると癖になる美味しさです。貝焼き味噌はこの味噌でなければダメだという方もいるようです。
「味噌の小売りもしています」と聞いた瞬間、またまたすごい勢いで味噌を買い求める一行です。
次は役場の隣、「飯田鮮魚店」に向かいます。ここは、手作りの飯寿司やおかずが自慢の魚屋です。
ラッキーなことに、普段は1種類しか置いていない飯寿司が2種類あります。ほっけと赤魚です。
お店の方に伺ったところ、魚の飯寿司は9月から6月頃まで、旬の魚を使って手作りしているとのこと。定番の鮭や鰊はもちろん、カナガシラ、カレイなど何種類作っているかわからないほどだそうです。
試食させていただいたホッケの寿司は、弘前方面では一本漬で癖のあるお味ですが、ここでは切ったものを使用しており、驚くほどさっぱりしています。「何か秘訣があるのですか」と伺ったところ、「それは教えられないのよね~」と一蹴されてしまいました。
ここでも、我先にと飯寿司を買いあさる一行。風雪流れ旅のはずが、すでに買い物ツアーになっています。
龍松閣でランチ休憩した後、いよいよつじむら酒店へ。
「今日は青い森鉄道で来たから」と、お酒の試飲もさせていただきます。辻村さんの酒うんちくをお聞いていると、新しい日本酒の世界が開けるようです。板柳町の岩木正宗、八戸の八仙の他、県外のお酒も飲み比べると違いがわかって面白いのです。
「お酒は重いのよねー」と言いながら4合瓶2本買いの方もいました。
最後は駅前の「パン屋ichico」さんで、酔った勢いも手伝ってパンを大人買い。
小さなお店に入りきれない人が、店の外に行列という光景です。
風雪流れ旅がテーマの町歩きのはずが、その日の夕食が楽しみになるお買い物ツアーになってしまい、男女問わず、全員エコバッグを手に帰路についた大満足の小湊旅でした。
青森駅から青い森鉄道でわずか20数分。いつもの食卓に飽きたら、ちょっと足を延ばして小湊で私設お買い物ツアー、いかがですか。
お勧めは吹雪のこの時期。味噌も飯寿司も日本酒も今が旬だからです。
by Hana
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