毎年2月の第1土曜日に開催されている「細野相沢冬物語」は
浪岡地区の山間の集落で開催される小さな祭りです。
写真は撮れなかったのですが、雪に囲まれた山道、彼方に見える電灯を目指して、シャトルバスは静かに走り続けます。遠くに見える電灯、そこまで来るとまた彼方に電灯が・・・そんな感じで細い道を走り続け、到着したのは山々に囲まれた小さな集落でした。
会場までの両脇にはろうそくが灯され、オレンジ色に輝いています。
正面の山には「光」の文字も。「冬物語」という名前に負けない雰囲気があります。
小さな会場は、中央に焚火があり、両側のテントでは、地元の方々手作りのお料理などが提供されています。
とりあえず、腹ごしらえ。「ウドの酢味噌和え」「フキの炒めもの」「豆こごり」「漬物」「けの汁」など、山盛り!
地元のおばあちゃん達のお料理は、皆なぜか懐かしい味です。「もっきり」と称するなみなみに注がれた日本酒もいただきます。
巨大イワナのから揚げを発見。これだけでお腹いっぱいになりそう。
餅つきが始まりました。杵と臼でついたお餅は、おしるこで頂くとやさしい甘さが身にしみます。
日本酒を飲んでいるのに、寒いためかまったく酔いがまわりませんよ。
ステージでは、地元の皆さんによる囃子演奏が始まりました。
お山参詣の登山囃子から青森ねぶた囃子まで、ノンストップ演奏で笛も担ぎ太鼓も大変だなあと思っていたら、何と、半袖の人がいます。いくら若くても寒いでしょうに、すごい気合です。
花火の打ち上げまで、まだ時間がありそうなので、温泉に入ることにしました。
小さな「山の湯」。
期待が高まります。
この場所には元々は小学校があり、廃校後は公民館・交流施設として活用されてきました。浪岡町の子どもたちが体験学習などで訪れる場所だったようです。そして、地域の方々が、地域おこしのためにと浪岡町(当時)の補助を得て掘った温泉、それがこの「山の湯」です。5人も入れば一杯になってしまう、小さな温泉です。
そして、地域おこしのきっかけとして11年前に始めたのが「細野相沢冬物語」でした。
自分達ができることを通して、よその方にも来てもらいたい、細野相沢地域を存続させたい、と始めた冬物語は、3回目からは冬花火も加わり、訪れる方も年々増えていったそうです。
ここ数年は少し人出が減ったとはいうものの、東京からわざわざ来られた方もいるようです。リピーターが多そうですし、何よりも参加している人達が、皆とても楽しそうです。ステージを盛り上げてくれた司会の米坂さんの、美しく心地よい津軽弁も印象的でした。
さて、大急ぎで温泉からあがると、丁度花火が始まったところでした。
地域の人達も、外からのお客様も、一緒に見つめる冬花火は、空気が澄んでいるからでしょうか。光の粒一つ一つがはっきりして、心に響いてくるものでした。「また、来年。」「またいつか。」そう思える、大切にしたい小さな祭りです。
そういえば、お湯に入った時間は短かったのに、帰宅するまで寒さは全く感じないほどよく温まった温泉でもありました。
by Hana
■青森市浪岡細野「山の家」
電話 0172-62-3129
■細野相沢冬物語のお問い合わせは
青森市浪岡事務所地域づくり振興課
電話 0172-62-1127
前売券を購入すると、青森市役所と浪岡事務所から出発するシャトルバスが無料で利用できます。
冬の山道ですので、シャトルバスはお勧めですよ。
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