先月、青森県内の鉄道路線や駅、今は運行していない鉄道や懐かしい駅舎の風景、そして鉄道で旅をする醍醐味を提案する冊子「”鉄”旅あおもり決定版~あおもり鉄道大集合~」が発売されました。
青森県内にはJRや民鉄が全部で10路線あり、駅数は158駅あるそうです。
その中でも今回は県内最長路線121.9kmの「青い森鉄道」の一駅、「向山駅」にある「向山駅ミュージアム」に行ってきました(向山駅ミュージアムは”鉄”旅あおもりにも紹介されています)。
向山駅ミュージアムは、駅舎内に併設されてある、地元の向山町内会の人たちが管理運営する小さな博物館です。
向山駅は三沢駅と下田駅の間にある駅で、1992年(平成4年)に国鉄分割民営化とJR東日本への移管などにより無人化となり、現在では、日常的に駅を利用する人は高校生など一日30人程度だそうです。
そんな向山駅になぜ博物館ができたのか・・・
きっかけは2011年(平成23年)5月に行った駅事務室の大掃除でした。
平成4年に無人化されて以来閉ざされていた駅事務室に地域の人たちの手が加えられました。
そして20数年来のほこりやごみ、くもの巣などを取り除いて出てきたものが、国鉄時代に同駅で使われていた数々の鉄道関係品でした。
関係者曰く、最初は単なるガラクタに見えたそうです(笑)
しかし、地域の歴史を刻んだ貴重なものとして、そして、向山駅を盛り上げるために開かずの駅事務室をミュージアムにしようという構想をまとめ、駅舎を借り受け、平成23年11月に向山駅ミュージアムが開館しました。
展示品には、鉄道ファンには垂涎の品々がたくさんありました。
歴代の駅長名が記載された木札当時の運賃表、旧国鉄時代の記念切符や制服、工具、事務机など懐かしい品々が展示してあります。
また、鉄道ジオラマも展示してあり、県内の鉄道路線を走る車両や廃線となった十和田観光電鉄や南部縦貫鉄道の車両などが走る姿も楽しむことができます。
イベントも開催していて、5月から12月までの毎週土曜日に地元の特産品等を販売する「向山市」を開催しているほか、年に一度鉄道ファン向けイベント「こごさあづまれー!」も開催しています。
今年は6月29日(日)に開催するそうですので興味のある方は下記問い合わせ先まで御連絡を!
向山駅ミュージアムは、展示品を並べるだけの単なる博物館ではなく、地域住民の憩いの場として、そして近隣市町村や県外からの鉄道ファンも訪れるようになり、互いに会話や交流を楽しむコミュニケーションの場としても大きな役割を果たしているそうです。
取材中、踏切の音がなると突然中村会長は何かが書かれたプレートを持って線路のそばまで走って行きそのプレートを上に掲げました。
そして目の前を通り過ぎる貨物列車が突然警笛をピッ!
掲げたプレートには「いつも運転ご苦労様です」の文字が書かれてありました。
運転手さんともコミュニケーションをとっていたんですね。
そんな地元の人達の郷土愛、鉄道ファンの鉄道愛の融合でよみがえった向山駅へ、足を運んでみてはいかがでしょうか。
<問い合わせ先>
向山駅愛好会
住 所:上北郡おいらせ町向山3-3570-1
電 話:080-5569-0819(会長 中村淳悦氏携帯)
開館日:毎週土日及び祝日
開館時間:午前9時~午後4時
入館料:無料
by きむにぃ
掲載されている内容は取材当時の情報です。メニュー、料金、営業日など変更になっている可能性がありますので、最新の情報は店舗等に直接お問合せください。