深浦町岩崎の大間越は秋田県境に位置する日本海に面した地区。
ここ大間越でも田植えが終わった後、悪疫退散、五穀豊穣を祈るさなぶり行事が行われています。
祭りの主役は「春日丸」と呼ばれるこの船。
長さが1.7mもある本体は、地元の大工さんがシナの木を使い、1ヶ月近くかけて作った本格的なもの。
江戸時代の北前船を模したこの船に鎮座しているのは7体の人形。かつての大間越の7人のオオヤケ(お金持ちというニュアンスでしょうか?)の方のようです。
体は藁、頭部は桐の木、そこに顔が墨書きされています。
午後1時、祭りがスタート。
太刀ふりの子供達を先頭に、お囃子、春日丸の担ぎ手と総勢26人で集落の全てを周ります。
途中、各家からご祝儀やお神酒がふるまわれます。
そのたび一団は、ご祝儀やお神酒を中心に太刀ふりを行います。
これにはご祝儀を中心に3周するというルールがあるようです。
そしてお酒やご馳走が用意されたお家で休憩。
この休憩が1時から4時までの運行の間4回行われます。
結構頻繁に休憩がとられる訳ですが、そのたびに皆さん酔いが回ってきます。
集落を周り終わった頃にはフラフラのようです。
でも皆さん嬉しそう。
いよいよ春日祭りのクライマックス。
春日丸を海へ流すと言うのですが。。。?
一団は漁港近くの砂浜へ。
砂浜で太刀ふりが行われ、子供達はそれまで振っていた太刀を海へ投げ入れます。
春日丸の担ぎ手達はずんずん海の中へ。
春日丸は待ち構えている漁船に引き上げられ、さらに沖合数キロメートル先で海へ流されるのです。
海に流してしまうのは、悪疫がこの地区に戻ってこないようにとの願いからのようです。
よって、念を入れて漁船で沖合まで運ばれるのです
(因みに、この春日丸、潮の流れに乗ると北海道まで辿り着くこともあるとか)
それにしても子供達の楽しそうなこと!
手間暇かけて作った船を海に流してしまう春日祭り。
とても珍しいお祭りではないでしょうか?
春日祭り、ぜひ多くの人に知っていただいて次世代へ継承してほしいお祭りです。
大間越春日祭り
日程 6月下旬(年によって異なるようです)
場所 深浦町岩崎地区
問合先 大間越郷土芸能保存会(0173-78-2202)
by niok
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