青森県南部地方の三戸町泉山地区には、7歳の男子が父親と一緒に月山山頂の神社に登る通過儀礼の風習が残っています。父親も音を上げるハードな登山は、男の子が大人になり、父子の絆も深まりまる風俗行事です。
毎年7月25日、数え年7歳になる三戸町出身の男の子等が、父親と一緒に泉山地区を見下ろす名久井岳の月山山頂まで登り、月山神社の奥殿への初参り。
起源ははっきりとしていないが、地元の人によると「おじいちゃんのおじいちゃんがまげ姿で登ったと聞いている」と、かなり昔にさかのぼる証言が得られました。
7月25日の朝早く、白装束を着た男の子と父親が泉山地区の月山神社に集合し、絵馬に手形を押し、結界の中でお祓いを受け、名久井岳麓の泉山神社へ出発します。
一方女の子は泉山神社で、境内を飾り付け、ゴザの上の座って男の子達を見送ります。
月山は以前女人禁制の山でした。現在は、女性の入山はできますが、この行事のみは女人禁制のしきたりが守られています。
月山山頂までは高低差500メートル、1時間かけてこのハードな道を父と子が手を取り合い登っていきます。
月山はもともと修験者の山、山道は藪に覆われた道なき道で、7歳の小さな男の子には厳しすぎる道です。
山頂の月山神社奥殿で、神官のお祓いを受け、直会、神様の前での飲み会が始まります。
御神酒なので、全て飲み干す慣わしとなっており、疲労困憊の父親達の全身にお酒が回ります。
酔いも冷め切らぬまま、南部町の長谷寺まで下山しますが、帰りのコースも人が1人通れるほどの急な山道。下りは男の子より父親の方が辛い行程です。無事に長谷寺まで降りてきた父親からは達成感と疲労感を感じます。
行事としての泉山七歳児初参りは毎年7月25日のみですが、その他の日も登ることができます。
父と子の絆を強めたいお父さんは息子さんを誘ってみてはいかがでしょうか。
(kogao)
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