お山参詣と言えば、旧暦8月1日に行われる岩木山信仰の最重要行事。
一晩かけて岩木山を登り「五穀豊穣」「家内安全」などを願います。
実は、このお山参詣、岩木山だけで行われているわけではありません。
岩木山から遠く離れた地区では、近くの山を岩木山に見立ててお山参詣を行うこともあります。
このような山を「模擬岩木山」と呼ぶそうで、津軽地方には20箇所以上あるようです。
十三湖近く日本海に面した五所川原市脇元地区。
ここにある“靄(もや)山(標高152m)”もそんな模擬岩木山のひとつです。
このきれいな三角形の山を地元の方々は脇元岩木山と呼んでいるのです。

本家岩木山と同様に旧暦8月1日(今年は新暦8月25日)に行われた脇元岩木山のお山参詣。
朝10時30分、一行は洗磯崎(あらいそざき)神社から出発。

本家と同様、白装束や法被を着た一行が太鼓や笛を鳴らし「サイギ、サイギ~」と唱えながら、御幣を持って集落を練り歩きます。
日本海沿いを進むお山参詣の様子が何やら新鮮。

麓で一休みしていよいよ入山。

靄山は標高152メートル、頂上までは15分程度です。
本家岩木山が標高1,625m、約8kmの行程を4時間ほどかけるのに比べると、なんだか簡単そうな印象ですが、実際に登ってみると思いのほかハード!

ひたすら急勾配が続き、しかも粘土質の地面ですので踏ん張らないと前に進めません。
頂上にたどり着く頃には体全体から汗が噴き出しています。

頂上からの眺めはこんな感じです。
日本海に流れ込む十三湖も見えています。
ホントはここから本家岩木山が見えるのですが、この日は雲に隠れていました・・・残念!

一緒に登った地元の高校生の皆さんも満足そうな笑顔で記念撮影。
近くの山を岩木山に見立ててまでお山参詣を行う津軽の人たち。
それだけ岩木山は大事な存在なのでしょう。
本家岩木山の次は模擬岩木山に目を向けてみてはいかがでしょうか。
新しい発見がありそうです!
■脇元岩木山神社大祭
主催 脇元お山参詣保存会
電話 0173-62-3536
by niok
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