
2012年(平成24年)8月に69年ぶりに十和田湖の湖底から引き揚げられ、現在青森県立三沢航空科学館に展示されている一式双発高等練習機。この引き揚げから展示に至る経緯については過去に当ブログで紹介しておりますが、地元では現在この貴重な機体を重要航空遺産として認定していただくよう取組を行っています。
このようにほぼ当時のままの完全な形で現存している機体はほとんどなく、非常に貴重であることから、近々行われる予定の日本航空協会による調査に期待が持たれています。

また、この機体の航空機用エンジン(天風21型)は、東京都にある日野自動車のルーツとなる東京瓦斯電気工業が昭和初期に開発したものであり、その信頼性の高さから1万基以上が生産されたそうです。日野自動車では、このエンジンの1基を借り受けて、清掃などを施した上で、2013年(平成25年)7月から自社の日野オートプラザに展示を行っており、その後三沢航空科学館に返還されました。
現在は左右でその姿の違いを比べることができます。

同館の展示場所には、この一式双発高等練習機のほかにも、映画等で実際に使用された零戦の実物大レプリカや、小川原湖底から引き揚げられた実物の零戦のプロペラなどが展示されています。

このほか、世界初の太平洋無着陸横断飛行を成し遂げた「ミス・ビードル号」や周回飛行航続距離世界一を成し遂げた「航研機」の復元機や、初の国産旅客機YS−11の実機などを展示した【航空ゾーン】と、飛行機の原理や航空機の仕組みを体感することができる、小中学生向けの各種体験装置などがある【科学ゾーン】などがありますが、中でも個人的におすすめなのが、航空ゾーンの2階脇のエアコリドーギャラリーにずらっと並んでいる航空機模型の展示です。

これは館長が自ら製作したものであり、その数は約600機。実はこのほかにもあって、全部でなんと約2,400機ものコレクションがあるそうです。展示は年代別になっており、複葉機の時代から現代のジェット機まで、各スケールの模型がこれでもかと並んでおり、オジサン世代のハートをくすぐります。背景には貴重な箱絵がディスプレイされており、これらの情報については展示ケースの横に設置されたモニターで検索することができます。
この冬は、雪が降っても楽しめる三沢航空科学館で、貴重な展示物の数々を楽しんでみてはいかがでしょうか。

byオーレおじさん
(問合せ先)
<青森県三沢航空科学館>
住所:青森県三沢市北山158
電話:0176−50−7777