マグロで有名な大間町で「陸(おか)マグロ」と呼ばれているものがあるのをご存知ですか?
「陸マグロ」とは、大間町で肥育されている黒毛和種の「大間牛」ことで、その肉質は大間で水揚げされる本マグロの大トロにも負けない最高等級のA5に評価される肉質も出ることから、地元では「陸マグロ」とも呼ばれています。
過去には枝肉のチャンピオンにもなったことがあるそうです。
大間牛は標高200mにも満たない西吹付山の大間牧場で肥育されているのですが、実はこの牧場に最高等級の肉質に育つヒミツがありました。
歴史を遡ること江戸時代。
下北半島一帯は南部藩の馬の放牧地だったんですが、中でも大間町は南部藩の精良馬(優秀馬)の放牧地であったと言われています。
厳しい気候条件と粗食に耐えて丈夫に逞しく育つ環境が放牧に適していたんでしょうね。
そんな畜産に適した環境、そして津軽海峡から吹き付ける強い潮風を浴びたミネラル分たっぷりの牧草を食べた大間牛が美味しく育つのも納得いきます!
もうひとつ大間町と牛肉に関するエピソードがありました。
江戸時代末期(1864年10月30日)、イギリスの商船「アスモール号」が大間沖の弁天島で座礁。
その時大間の漁師達が大時化の中懸命に救助活動をして、その甲斐があって乗組員15名が無事救助されました。
体力を消耗した乗組員達に最初は魚や野菜を与えていたそうですが徐々に体調を崩したため、乗組員は本国で食べていた牛肉を欲しがったそうです。
当時日本では四足動物の肉を食することが禁じられていましたが、重い罪にあうことを覚悟の上で農作業用として飼っていた牛の肉を提供しました。
この人道を優先した勇気ある決断が後にビクトリア女王に伝わり、その御礼として翌年6月に徳川幕府を通じて南部藩へ感謝状と金の懐中時計と猟銃が贈られました。
これらは現在岩手県盛岡市にある「もりおか歴史文化館」に保存されています。
ところでその大間牛ですが、大間町では「幻の大間牛」と言われています。
というのも、これまでは町で開催される年2回のイベントの時だけしか食べられませんでした。
これまでは・・・
そうなんです!
実は今冬から「おおま温泉海峡保養センター」で食べられるようになったんです!
メニューは、レストランでは「すき焼き定食(1,300円)」で。
宿泊コースだと、「大間牛すき焼きコース(12,000円)」のほか、料金に応じてサイコロステーキでもお召し上がりできます。
すき焼き用のお肉も販売しているそうです。
(マグロの写真はイメージです)
大間のマグロと陸マグロ。
「大トロ」と「霜降り肉」の組み合わせはなんとも贅沢なごちそうですね!
ぜひご賞味あれ!
※時期によっては品切れになることもあるそうですので事前にお問い合わせください。
<問い合わせ先>
おおま温泉海峡保養センター
住所:〒039-4601 下北郡大間町大字大間字内山48-1
電話:0175-37-4334
by きむにぃ
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