こんにちは、ざきです。
幼いころからずっと気になっていた松浦食堂。
野辺地特産のお茶・ケツメイ茶を飲むことのできるお店は多々ありますが、郷土料理の「茶粥」を
町内で食べることのできるのは松浦食堂さんだけと知ったのは、実はここ最近のことでした。
実家でも時々食べる茶粥ですが、他のお宅の・しかも老舗の茶粥を食べてみたい!ということで
野辺地駅前の松浦食堂さんへお邪魔してきました。
前日に予約していたので、楽しみにお店へ伺うと…おお!できたての茶粥定食が!
定食の内容は、カワラケツメイの茶粥と味噌貝焼き・ホタテのお刺身(上北特産・長芋のツマ付)、
煮和えっこ、精進うなぎ(すった豆腐を鰻たれで味付けしたもの)、寄せ豆腐(野辺地では
八杯豆腐とも呼びます)、菊の皿っこ、そして野辺地葉つきこかぶの漬物が基本。
カワラケツメイを使用した茶粥をメインに、この地域の伝統料理を御膳で味わうことができます。
伝統料理の数々は上方文化由来の精進料理がルーツとなっているため、野辺地の特産品である
ホタテ以外でナマモノは使われていません。
化学調味料は全く使用せず、味付けも地元の老舗醸造店の味噌・醤油を使い、料理にふんだんに
使用されているお豆腐も地元で「野村さんの豆腐」と親しまれているのむらとうふ店のものを使用。


メインであるカワラケツメイに至っては、自分の畑で栽培しているものをその日に使う分
だけ毎日焙煎して調理に使っているそうです
地元の料理を地元の味で提供したいという細部までのこだわりが見えます。
結構なボリュームに見えるのですが、丁寧に仕込まれ調理された優しい味付けの料理の数々に
癒されながら、気が付くと完食。
昔懐かしい、おばあちゃんの料理を食べているような感覚に陥り、思わず「おばあちゃんおかわ
り!」と言ってしまいそうになります。
野辺地駅の真ん前に位置する松浦食堂は、明治26年の東北本線開業と同時に創業された老舗食堂。
そんな松浦さんで茶粥定食がメニュー化されたのは約20年前と、松浦食堂史の中では比較的
最近のこと。
当時松浦食堂を訪れたアナウンサーの方が大変なお粥好きだったそうで、野辺地の紹介がてら
伝統食である茶粥と郷土料理を出したところ大絶賛。
これは是非メニュー化した方が良い!とアドバイスを受けメニュー化に至ったそうです。
茶粥定食のメニュー化を決めた松浦リツさんは、当時は定番メニュー化に非常に迷ったそうです。
「なんといっても手間暇がかかるからね。材料の調達から味付けまでとっても時間がかかるんだ
よ…。けど、お客様に野辺地の味を食べてもらいたい一心でメニューにしたんだ」と、松浦さんは
おっしゃっていました。
お食事に来たお客さんの「美味しい!」の声と笑顔を見るのが楽しみだから、手間を手間と思わず
に今まで続けていられるんだ、とお話されていました。
優しさとおもてなしの心がぎゅっと詰まった茶粥定食。
最近飲み会続きで若干お疲れだったわたしですが、優しい味の茶粥が疲れた胃腸にじんわりと染み渡りました。
江戸時代、ケツメイ茶粥を朝食として常食していた旦那衆(当時の豪商)も同じ気分だったので
しょう…。
そして胃腸の整腸作用と、肝機能の機能改善に効果ががあるとされるカワラケツメイ。
前日までのアルコールが茶粥で流され、身体の中がデトックスされた気がします。
当時の方々は本能的にわかっていて、朝食にしていたのかもしれませんね。
皆さんもぜひ松浦食堂の茶粥定食で癒されてみてはいかがでしょうか。
■松浦食堂
住 所:青森県上北郡野辺地町字小中野39-7
電 話:0175-64-3004
定 休 日:日曜日
営業時間:11:00~19:00
アクセス:青い森鉄道野辺地駅から徒歩1分
※茶粥定食は前日までに要予約となっています。
by ざき
掲載されている内容は取材当時の情報です。メニュー、料金、営業日など変更になっている可能性がありますので、最新の情報は店舗等に直接お問合せください。