階上町の漁師の家庭では、塩ウニの精製過程で発生した、市場に出回らないウニのエキス「かぜ水」を、家庭の万能調味料として、様々な料理に使われています。
「かぜ」とは、三陸地方の方言で「ウニ」を表す言葉です。
「かぜ水」は、毎年6月から7月に行われるウニ漁でとれたウニを塩ウニに加工する際に、副産物として発生するもので、主に岩手県北から青森県南の三陸地方の漁師の家庭で、昔から調味料として料理に使われていました。
階上町では、塩ウニは60gの瓶詰めで約1,400円と非常に高価なものなので、漁師にとってはあまり食べるものではなく、あくまで商品。一方「かぜ水」は価値のない副産物と考えられており、家庭で食べる分だけとっておくそうです。
「かぜ水」は風味をまろやかにする効果があり、各家庭でさまざまな料理に使われています。
ウニの風味を強く残す場合は汁物に、ウニの風味より味をまろやかにする場合は、煮物に使います。
代表的な料理の一つに「ドンコ汁」があります。
ドンコも滅多に市場で出回らず、漁師宅で自家消費されてしまう濃厚な肝味が特徴の階上で獲れる魚です。
(参照ページ)
青森の磯汁「ドンコ汁」
その他、日常の家庭料理である「卵焼き」や「野菜の煮付け」、「卵焼き」は「かぜ水」を加えることでふっくらとなり味がまろやかになります。また、「野菜の煮付け」では大根等に染みたウニの風味とかぜ水のエキスが凝縮したものがまろやかな潮の風味に仕上げます。
若いお母さんがいる家庭では、パスタ等の洋食にも積極的に使われています。
「かぜ水」はウニと塩のみだけで作られる家庭の万能調味料なのです。
また階上町では、ほとんどの漁師の家庭が、うにをさらしで濾さずに無濾過で作るので、風味が強く濃厚な「かぜ水」となります。(kogao)
「階上産かぜ水」の問い合わせ先
階上町産業振興課 商工・観光グループ
住所 青森県三戸郡階上町道仏字天当平1-87
TEL 0178-88-2875
FAX 0178-88-2117
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