今年の青森の桜は平年より10日早い4月14日に開花し、観測史上最も早くなりました。県内各地の桜の名所には多くの人が訪れ、思い思いの場所でお花見を楽しんでいます。これからGWを控えていますが、青森のお花見に欠かせないのが「花見ガニ(トゲクリガニ)」。特に津軽地方ではお花見にガニ(蟹)を用意したかどうかで幹事の手腕が評価されるほどの人気の高い食材です。
トゲクリガニはクリガニ(ケガニなど)の仲間で、甲羅の縁に棘(トゲ)があることから、こう呼ばれています。ケガニと同じクリガニ科ですが、毛ガニより小ぶりです。
花見の時期に出回るため、地元では「花見ガニ」とか「桜ガニ」とも言われます。
旬の春は、濃厚な風味の蟹ミソが沢山詰まっており、ほかの蟹では味わうことができない漁師自慢の一品です。
本県五所川原金木出身の作家 太宰治もトゲクリガニが大好物で、小説「津軽」の中で取り上げています。全国的にあまり流通していない蟹ですので、是非、この季節青森で食べてみてください。
雄・雌の見分け方は、三角形の腹節(ふんどし、前掛けともいう)が大きいものが雌で、小さいものが雄です。身は繊細で甘く、また、磯の風味が濃厚な蟹ミソと鮮やかなオレンジ色の内子(雌の蟹が体内に抱えた卵)のハーモニーは、他の蟹にはない独特の美味しさがあります。
トゲクリガニは(社)青森観光コンベンション協会の青森のうまいもの「七子八珍(ななこはっちん)に選定されています。
次に、この時期の美味しいものと言えば「ヒラツメガニ」です。
本県では、主に太平洋沿岸で漁獲されます。甲羅は10cm程度の小型の蟹で、地方名で「ヒラガニ」や甲羅の表面にアルファベット「H」の溝があることから「エッチガニ」とも呼ばれています。太平洋沿岸地域の人々から親しまれてきたヒラツメガニは濃厚なダシが良く出るのが特徴で、浜ゆでや味噌汁、小さいものは唐揚げで食べられています。また、春の田植えや秋の稲刈りなど農作業で多くの人が集まる時に大鍋で大量に茹でて食べるなど、地域に根付いたこの季節を代表する食材です。
今の時期、写真のようにミソが豊富に詰まっています。特に雌の体内には濃厚な内子も蓄えられ、とても美味しい季節を迎えています。ミソと内子を堪能した後、甲羅に熱っつい(熱さがポイントです)燗酒を注ぐと笑みがこぼれる贅沢な一品になります。そして一口飲んだらこう言いましょう「春だね~♪」
お魚自慢!青森県。「旬のものを旬の季節に」。この季節限定の美味しいガニ(蟹)を是非ご賞味ください。
by お魚くいしんぼ
青森おさかな自慢の内容を青森県庁ホームページで公開していますので、是非「青森おさかな自慢」で検索してください。美味しいおさかな情報が満載です。
http://www.pref.aomori.lg.jp/sangyo/agri/osakanajiman.html
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